「捨てられる野菜で染めた服」廃棄食材を再活用するFOOD TEXTILEが目指す未来
ーー実際、どんな食材が染料の素になっているんですか?
「現在は『キユーピー』さんを始め、ハーブや天然オイルなどを販売される『生活の木』さん、コーヒーショップの『タリーズ』さんや『猿田彦珈琲』さん、『堀内果実園』さんなど15社を超える企業・農園さんから廃棄予定の食材を買い取らせてもらっています。具体的な食材は、キャベツや小松菜など生産された野菜、カット野菜の切れ端、フルーツ、ハーブ、コーヒーの出し殻など、50食材くらい。1個の食材からでも10色くらい抽出できるので、色の種類としてはおよそ500色くらいを揃えています」
ーー1個の食材から色がそんなに取れるんですか!? ブルーベリーなら紫色だけ、というイメージがありましたが(笑)
「そうなんです。ブルーベリーでも紫色や、グレーっぽい色、赤色などさまざま抽出できるんです。この技術は日本の染料メーカーさんに協力いただいて、食材から抽出した天然染料を90%以上使いながら、化学染料も10%未満プラスして染めています。一般に皆さんが着ている衣類のほとんどは、染色に化学薬品や重金属、環境ホルモンなどを多く使い、人への悪影響、川や海の水質汚染も問題視されています。それに比べて天然染料は人にも環境にも安心安全。天然染料100%で染める「草木染め」なども人気ですが、どうしても洗濯や日常使いで色落ちや色ムラが起こりやすくて、色合いを長く保てない欠点もあります。そこで、FOOD TEXTILEでは天然染料90%以上+化学染料10%未満というハイブリッド技術(国内外で特許も取得)を独自に開発して、『天然染料でも色落ちしにくい』を叶えました。生地にもオーガニックコットンなどを使い、肌に優しく、お気に入りの色合いも長く楽しめる、そんな心の安らぎをアイテムに込めています」
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