なぜネガティブエネルギーを受けてしまうの?その対処法は【疲労回復とヨガ#1】

 なぜネガティブエネルギーを受けてしまうの?その対処法は【疲労回復とヨガ#1】
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井上敦子
井上敦子
2020-04-11

私たちは常に、周囲の影響を受けながら生きています。社会の情勢や人間関係、情報に至るまで、日々受けている外的な影響は計り知れません。ポジティブな影響を受けることは大歓迎!でも、ネガティブな影響を受けてしまったら・・・あなたならどうしますか? 連載初回の【疲労回復とヨガ】では、ネガティブなエネルギーとの上手な付き合い方、心がネガティブに傾いたときのリカバリー方法をヨガの視点からお伝えしていきます。

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周りから影響を受けて当たり前!五感について

もしあなたが「外側から何にも影響を受けません!」と決心したとしても、それは難しいこと。誰とも会わず、あらゆる情報を遮断して、スマホもテレビも見ることなく過ごす。そんな生活は考えにくいですよね。私たちは意識していようとしていまいと、常に外側の世界と繋がり、外的な影響を受けながら生活をしています。

では、外側の世界と自分を繋げる窓口はどこにあるのでしょう?ヨガの教えでは、【五感】にその役割があるといいます。五感とは、見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触れる、といった5つの感覚機能。この五感はヨガ的にいえば、『外側の世界を知るために私たちに備わった道具』です。言い換えれば、五感が働いている限り、私たちは外側の世界の影響を受けざるを得ないということになります。

ヨガの練習で五感をコントロールしよう

それでは、五感は一体どんなふうに働いているのでしょうか?

例えば、聴覚=聞くという感覚は、あなたの日常ではどんな風に働いていますか?想像してみましょう。本を読んでいたり、ヨガのポーズをとっていたりと集中状態にあるとき、外側の音が聞こえない、もしくは遠くにいってしまったような感覚を味わったことはありませんか?もしくは、味覚=味わうという感覚も、流れ作業のように食事をしている時と、集中して味わおうとして食事をしている時では異なるのではないでしょうか。

そう、五感はコントロール可能な感覚機能なのです。そして、その五感を意識的にコントロールしていくことを、ヨガでは【プラティヤハラ】と呼びます。プラティヤハラは、内側に目を向け静寂を保つためにも、集中状態をつくるためにも大切な練習です。外側の世界がどんな状態にあっても、内側に目を向けることによって静寂を得ることが出来る。

そしてこの【プラティヤハラ】は、常に外側からの刺激にさらされている私たちにとても役に立つ練習でもあります。ネガティブなエネルギーからある程度身を守ることも可能ですし、五感を内側に収め休めることにより自分を回復させることも可能です。

これから、その二つの方法をお伝えしていきましょう。

ネガティブエネルギーから自分を離す方法

外的な情報や刺激を受けたくない!そんな時に、【プラティヤハラ】の練習を応用して実践してみましょう。自分が苦しくなるようなネガティブな事柄に対して、無理にオープンにいる必要はありません。特に現代は情報過多の時代。時には、情報や刺激から自分の身を守ることも必要です。

情報を一番多く取り入れている感覚は、『視覚=見る』働きです。ネガティブエネルギーから自分を離したい時は、シャッターを下ろすようなイメージで、まずはまぶたを閉じてみましょう。そして次に、『聴覚=聞く』働きも、内側に向けるようにイメージしてみます。具体的に集中できる音があった方が簡単なので、呼吸の音を聞こうとしてみるのも良い方法です。実際に少し音を立てて呼吸をしてみても良いでしょう。

五感を自分の内側に収められたら、更に、ネガティブエネルギーと自分を離すようにイメージします。ネガティブな事柄と自分の間に、『隙間』を作る。無理に消そうとしたり、忘れようとしたりするのではなく、『隙間』を作ることがポイントです。

五感を内側に向け、自分と外界の間に隙間を作る。この練習を試みることで、ネガティブエネルギーの影響を受けたくない時に、自分を対象から離すことが可能になるでしょう。

ネガティブエネルギーのダメージから回復する方法

自分を守るすべを知っていたとしても、知らず知らずのうちにネガティブエネルギーを受けてしまうこともあります。時には、望まない環境に身を置かなくてはいけない場面ももあるでしょう。でも、大丈夫です。そういったダメージを受けてしまっても、私たちには自己を回復させる力が備わっています。

ヨガは、身体的な回復にとても役立ちますが、精神的な回復にも同じく役立つツールです。精神的な回復にオススメな方法はいくつかありますが、今回は私がヨガのクラスでよく使う五感を使った方法をお伝えします。『心が短時間で静かになる』と、クラスにいらっしゃる方々に好評なプチ瞑想法です。ぜひ試してみてくださいね。

五感を使ったプチ瞑想法

・心地よい場所に座り、背筋伸ばす

・お尻をどっしりと安定させる

・まぶたを閉じる

・部屋の外側の遠くの音を聞こうとする、もしくは想像する(1分ほど)

例:風の音、電車の音、車の音、誰かが道端で話している声など。

・部屋の中の音を聞こうとする(1分ほど)

例:テレビの声、時計の秒針の音、音楽、エアコンの音など。

・自分の内側の音を聞こうとする、もしくは想像する(1分ほど)

例:呼吸の音、心臓の鼓動、血液が流れる音、胃の中が消化されていく音など。

・意識が完全に内側に向き、心が静まったら、まぶたを開ける。

ヨガでは、『自分の内側にはいつも平穏がある』と教えます。それは、自分自身を回復させ癒していく大きな力です。

ネガティブエネルギーに触れてしまったら、自分の内側の平穏な場所に戻りましょう。いつも変わらず内側にある平穏な場所に戻ること。それを繰り返していくことで、外側の世界に振り回されない落ち着いた自分を確立していくことが出来るでしょう。

ライター/井上敦子
ヨガ講師。15年間の会社員生活を経てヨガ講師に転身。ヨガニードラ講座やコラム執筆、アプリ監修(Relook)、イベント出演等幅広く活動中。会社員の経験から、企業向けヨガにも注力している。現代人のライフスタイルに合ったヨガを提案することを得意とする。Instagram:@yoga_atsuko.inoue

 

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