ストレスを癒す|月礼拝で鎮静のエネルギーに満たされよう
ヨガジャーナルアメリカ版より、太陽礼拝より穏やかな「月礼拝」にまつわる記事をお届けします。穏やかな月礼拝のフローで内面から輝きましょう。
太陽礼拝と月礼拝
エネルギッシュな競争社会に生きるアメリカ人たちは、筋肉を鍛える激しい練習に惹かれがちだ。事実、西洋で最も盛んに行われているヨガの練習は究極の発熱シークエンスである太陽礼拝だ。
サンスクリット語でスーリヤナマスカーラと呼ばれるこの練習は、文字どおり「太陽への祈り」という意味だ。両腕を上げてから前屈をし、背骨を前方に伸ばしてからジャンプバックを行いながら、太陽のエネルギーを吸収していく。そして全身をくまなくストレッチし、鍛えて温める。だが疲れていたり、刺激を受けすぎたり、興奮しすぎたときのために、太陽礼拝には穏やかなバージョンのチャンドラナマスカーラ(月礼拝)があることを知っておくといいだろう。その名のとおり、チャンドラナマスカーラでは月に感謝をしながら鎮静効果のあるエネルギーを取り入れる。
「この種の練習は、男女を問わずストレスを抱えている人に効果があります」と言うのは、プラーナフローヨガの創始者であり、本記事にシークエンスを提供してくれたシヴァ・レーだ。「疲れ切ってしまう前に、エネルギーバランスを整えるのには最高の方法なのです」
月のパワーを感じる
シヴァ・レーのチャンドラナマスカーラのポーズはスーリヤナマスカーラとそれほど変わらないが、ペースや動きの性質はまったく異なっている。月のエネルギーを高めるために、彼女は練習前には時間をかけて意識的に練習の環境を整えるように勧めている。できれば月が見える場所か、天気が良ければ夕方に外に出て練習するとよいだろう。屋内なら明かりを落としてキャンドルを数本灯し、子宮の中にいるような雰囲気を演出しよう。癒される心地よい音楽をかけてもいいだろう。
練習を始める前には、月光の瞑想で月とのつながりを築き、内側に意識を向けて感受性が高まった状態で臨もう。さらに内面への集中を高めるために、ポーズからポーズに移行する際には伝統的な月のマントラ「Om somaya namaha(オームソマーヤナマハ)」を繰り返し唱えてもよい。太陽礼拝のように素早く動いたり、ジャンプでポーズに入ったり出たりするのではなく、水中で動いているかのようにゆったりと動こう。ポーズの間に自発的な動きを加えてもいいだろう。たとえば、熱を生み出す後屈のコブラのポーズをいきなり行わずに、肩を後ろに回したり、左右に揺らしてから自分らしい自然なコブラのポーズに入っていく。レーはこれをサハジャと呼び、「生来の内なる智恵に耳を傾けたときに生まれる自発的な動き」と説明する。
エネルギーをセーブする
月礼拝の練習は、新月、満月、下弦の月(満月から日目)の時期から2、3日を選んで行うようにレーは勧めている。これらの時期は私たちのエネルギーレベルが下がるためだ。生理中の女性にとって月礼拝は低エネルギー時の鎮静薬になる。また、太陽礼拝のときのように、各動作と呼吸を合わせる必要はない。
「月礼拝は応急処置ではありません」とレーは言う。「ゆっくりと、ポーズの達成を目的とせずにアーサナからアーサナへと流れるように動くことで、ほんの20分であっても心身の回復や、本来の自分を取り戻せるというような驚くべき波及効果を生み出します」
輝く月のフロー
このシークエンスでは、太陽礼拝のようにジャンプで素早くポーズに入るのではなく、水中にいるようにゆっくりと動いてみよう。
1 アンジャリムドラ(合掌のムドラ)のバリエーション
月のように穏やかな状態に入っていこう。両足を腰幅に開き、胸の前で両手のひらを上に向け、小指同士をつけてムドラを組んだら、すべてを手放して内なる声に耳を傾ける。
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