月経不順やむくみ…ホルモン乱れが招く不調・予防のためのアドバイス【女性のためのヨガ知識】


美と健康、女性が子供を産むために必要不可欠な「女性ホルモン」。しかし多忙な現代社会において、このホルモンバランスを崩している方が増えています。今回はホルモンバランスを整えるための運動や生活習慣に関するアドバイスです。
女性ホルモンの効果
女性ホルモンには妊娠、出産、授乳などの母性に関わる働きや、肌や髪に艶やみずみずしさを出し、膣に潤いを与えてくれるなど女性にうれしい働きがたくさん。その他にも悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを増やしたり、骨や血管を丈夫にしてくれる働きや内臓の働きを助け、記憶力など頭の働きをよくしてやる気や活力UPするという効果も。
女性ホルモンが乱れると、どんな変化がある?
女性ホルモンのバランスが崩れると、むくみや肌荒れ、便秘の他、イライラ、情緒不安等の心の不調のほか、婦人系の疾病のリスクが増加。例えば月経周期が乱れたり、無月経や無排卵、経血量が通常と比べて増減したりします。
本来、女性ホルモンは脳からの指令で卵巣から分泌され、月経や排卵に大きく影響します。しかし精神的なストレスなどの原因により、脳からの信号がうまく伝わらなくなると生理不順が起きやすくなるのです。
また、姿勢の影響や先天的な理由により卵巣や卵管に問題があると、脳が指令を出していても適切にホルモンが分泌されず、無排卵になることがあります。
さらに更年期に入ると、脳が指令を出していても卵巣からホルモンが十分に分泌できず、月経周期が乱れます。これは健康な方でも誰にでも起こります。但し、元々ホルモンバランスが乱れていた方は、更年期症状がさらに強くなる傾向がみられるようです。
ホルモンバランスを乱さないための運動
ホルモンバランスを整えるためには生活習慣、姿勢、適度な運動、呼吸、食、ストレスケアなど様々なアプローチがありますが、今回は運動のタイミングや強度にフォーカスしてお伝えしていきます。
1.良質な睡眠を妨げない運動習慣
ホルモンバランスを整えるには、良質な睡眠が大切。
寝る前に強度の高い運動を行うと、睡眠の質だけでなく寝付きも悪くなるので、明るいうちがよいでしょう。日中は仕事で夜しか運動できないという方は、ゆったりとしたシークエンスを心掛けて。もしくは、早起きしてしっかり動くと、早寝早起きの習慣が身に付くので、試してみてください。
・運動以外に気を付けたいこと
起きたら朝日を浴び、夜遅くに飲食をしないこと。未消化物が残ったままだと睡眠の質が下がり、ホルモンバランスが乱れるだけでなく肌荒れなどにもつながります。
2.運動強度を適切にコントロール
季節や月経のサイクルにあわせて運動の強度を変えていきましょう。
・生理周期に合った運動強度
生理が終わったら、少し運動強度を上げて、生理前にかけて徐々に運動の強度を下げていきましょう。生理中(特に経血が一番多い日は)練習をお休みしてゆったり呼吸法するのがおすすめです。
・季節に合った運動強度
夏場は食欲も落ち、体力が低下しやすい時期。また冬は血流が悪く、汗をかきにくい時期です。軽く汗ばむ程度の運動を目安に行っていくと季節にあわせた運動強度になっていきます。
・自分の体力と体脂肪率に合った運動強度
ご自身の体力にあった運動、そして体脂肪率にも注意しましょう。痩せすぎていないのに生理が止まっている場合、強度が高すぎる運動をしているか、体脂肪率が低くなりすぎているかもしれません。無月経を放っておくと骨粗鬆層のリスクも出てくるので強度を見直して婦人科にも相談してみましょう。
3.冷えに負けないための運動ウェア
体を冷やすのは厳禁。運動環境ににあわせて着脱しやすい「羽織りもの」を1枚持っていきましょう。血流を阻害するような服装はではなく、呼吸がしやすく動きやすい服装を選んで。
月経周期や季節、ご自身の体力と相談しながら、女性ホルモンとうまくつきあっていきましょう。
ライター/仁平美香
ヨガ講師(月経血コントロールヨガ、産後ママのためのメンテナンスヨガ、体軸ヨガ講師養成スクール講師)、セラピスト(内臓・骨盤底ケアforwomenなどのメニューを担当及び整体スクール講師)、栄養士。一般社団法人日本ホリスティックヘルスケア協会理事。女性のためのヨガ協会代表。女性のためのイベントYOGAWOMANにて講師を担当する他、企画運営にも携わる。「カラダをゆるめてこころを整えるはじめての月経血コントロールヨガ」「医師もすすめる血管美人ヨガ」等著書多数。雑誌・WEB等コラム監修も行う。
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