起源は4500年前。黒魔術と言われた「ヨガ」の語源とルーツを振り返る

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起源は4500年前。黒魔術と言われた「ヨガ」の語源とルーツを振り返る

ヨガ修行による「超自然力」を得た者は悪役?

『カタ・ウパニシャッド』では、自己認識をヨガの崇高なる目的と定めているものの、ほとんどの初期のヒンズー文献はヨギ(ヨガの修行者)たちを崇高な人間として描いていない。ヨガでは「真我(アートマン)と宇宙の根源(ブラフマン)が同一である」と悟ることによって全知全能の神と一つになり、カルマとその輪廻から解脱することを最終的に目ざす。

ヨガの実践を通じてその最終目的を達成した者たちには、大いなる力が授けられる。初期のサンスクリット文学ではこれらの超自然力(シッディ)を備えた者がヨギとして描かれ、大抵は悪役だった。(ヨガの実践に関しては、この頃はまだ明確に書かれていない)

数ある超自然力の中でも最もよく知られていたのは、ヨギが他のものの体の中に入りこみコントロールする力だった。その対象は人間や動物、生きているもの、死んでいるものもあり、時には同時に複数の体に入る場合もあった。初期のヒンズー文学には、他にも、飛ぶ、読心する、透明人間になる、過去の命を呼び覚ますといった能力を持つヨギたちが登場している。だがこれらの能力が有益に利用されることは稀だった。

17世紀までヨギたちは専ら黒魔術師や魔法使いとして描かれ、そのことからもヨガが好ましい修行とみなされていなかったことが伺える。

謎に包まれたヨガの修行内容

ヨギたちがサンスクリット文学の中で大きな役割を果たす一方で、ヨガの修練については依然として明確ではなかった。ヨガ修練の詳細な記述が初めて確認されたのは、紀元前4世紀頃に編纂されたバガヴァットギーターだった。バガヴァッドギーターは古代インドの長大な叙事詩「マハーバーラタ」のうちの短い一章であり、その中でヴィシュヌ神の化身クリシュナはアルジュナ王子に対し、解脱にいたる三つの道(三つのヨガ)を説く。

1.カルマヨガ:ダルマ(神聖な義務)を全うする無私の行為の道
2.バクティヨガ:神(クリシュナ)にすべてを捧げる道
3.ジニャーナヨーガ:智慧、自制の道

ヨガ修行についてのより詳細な記述は、異なるアプローチではあるが、紀元後400年頃に古代インドの聖人パタンジャリが書いた名高い書物『ヨーガスートラ』に見られる。『ヨーガスートラ』は簡潔な短文を編纂した教典で、人間の間違った認識や苦しみから解放されるための様々な修行法が示されている。教典自体は4章から成り、そのうちの一章はヨギに備わる超自然力(シッディ)の説明に丸々あてられている。

教典ではシッディを広い論理体系の一つとして位置づけており、シッディの存在を裏付けてはいるものの、そこだけに重きをおいていない。『ヨーガスートラ』の一番の教えは次の一文に集約されている。

ヨーガとは心の作用を止滅させることである:『ヨーガスートラ』より

by Eric Denton
Translation by Sachiko Matsunami

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