あるべき師弟の関係性とは|アシュタンガヨガの本質を守るために

 あるべき師弟の関係性とは|アシュタンガヨガの本質を守るために
ヨガジャーナルアメリカ版
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グルの役割

パタビジョイスの一件があっても、マクレガーの中でアシュタンガヨガの本質が失われることはなかった。だからといって、多くの女性が勇気を持って明るみにした彼の行為や危害を弁護するわけではない。

「グルを神のように崇める風習は時代にそぐわないし、終わらせるべきでしょう。生徒はおかしいと思いながらもグルの言うことにはすべて従います。グルを崇拝しているからです。けれどもパタビの裏切りや偽善的な行為によって、ヨガの伝統すべてが茶番劇のようにおとしめられてしまいました。そのような風習がなくても、私たちはアシュタンガヨガや美しい練習を伝えることができます」

キノとの対話で心に残ったメッセージは、まさにあの日の練習で感じたことだった。規律、献身、集中力、内なる静けさ。その形に関わらず、キノは本質をそのように言い表した。ヨガが様々に発展し、多様化し続ける中、私たちは練習の軸となるこれらの根源的な要素をどうしたら失わずにいられるだろう? 一人で練習をする時も私は常にこのことを心に留めている。勤勉にひたむきに練習をすれば、今ここにいる感覚を味わえ、安らぎが得られる。

いまキノは、以前にも増して練習の本質を守りながら「体系の見直し」を試みている。彼女は師の過ちを受け入れるプロセスを経て、より柔軟にしなやかに自分自身の練習の方向づけができ、人々とそれを分かち合えるようになったと感じている。「これまで縛られていたルールや教義から解放されて、気持ちが軽くなりました。パタビジョイスならどうするだろうと考える代わりに、私たちがより平和に、愛に満ちて、健康に生きるには、どのような練習がいいだろうと思うようになったのです。そして今は、練習とそれを分かち合うことに日々没頭しています」これこそが、彼女の言う練習の本質なのだろう。

Live Be Yogaのアンバサダー、ローレン・コーエンとブランドン・スプラットはアメリカ国内を旅してマスターティーチャーたちと対談をし、無料クラスを各地で開催するなど、様々な活動をしながらヨガコミュニティー内で起きている現状に焦点をあてている。二人のツアーの詳細や最新のストーリーはインスタグラムFacebookの@livebeyogaで見られる。

ヨガジャーナルアメリカ版/「Preserving the Essence of Ashtanga Yoga: Separating the Guru from the Practice

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by Lauren Cohen
translation by Sachiko Matsunami



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