老年性うつは40代から予防できる|心を柔軟に整える6つの習慣とは
2000年にWHOが提唱した「健康寿命」とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のこと。これをのばすために「変化に柔軟な40代から介護予防に向けて暮らしを整えるべき」と話すのは、シニアヨガ講師として多くの高齢者と関わってきた山田いずみ先生。その具体的な実践法とは。第4回は「加齢によるネガティブマインドに打ち勝つ方法」を紹介。
「うつ病」の引き金にも…ネガティブマインドの恐ろしさ
年を重ねると、健康状態の変化や大切な人との死別などネガティブな出来事に向き合う機会が多くなります。そうした出来事に対して悲しみが沸き上がるのは必然ですが、問題は沈んだ気持ちを引きずり生きる気力が低下すること。その結果、老年性のうつ病を発症し家に閉じこもる生活に陥ってしまう高齢者も少なくありません。
高齢者に多いネガティブマインドとは
・悲しみから抜け出せない
・怒りを抑えられない
・執着
・憎悪
・死への恐れに捉われる
「ネガティブマインドが強いと、自律神経が乱れる原因に。すると免疫力やホルモンバランスが安定せず身体的不調の引き金となり、人間関係、仕事、社会生活にも悪影響が及びます。この状態で老後を迎えると、配偶者の死や子どもの独立を受け入れられず、うつ病のリスクを高めてしまうのです」(山田いずみ先生)
ネガティブマインドに打ち勝つには
体の機能はいつか必ず衰え、年齢を重ねれば病を発症するのは誰にでも起こること。その時に心穏やかでいるためには、40代のうちに何をするべきなのでしょう。
「必要なのは、変化を受け入れ前向きに生きていく心の柔軟性と強さを身につけておくこと。年をとると自分の価値観や習慣を変えることにストレスを感じやすく、マインドの改善は容易ではありません。40代から穏やかなマインドで老後を過ごす準備をしておくことが大切です」(山田先生)
残念ながら介護予防の分野において、これまで心に対する取り組みはほとんど行われていません。さらに、介護と医療の将来を考えると現在のように手厚いサービスが期待できない可能性も…。
「不安定な時代だから、自分で健康な心身を維持する必要があり、メンタルも40代から鍛えるべきだと考えています。ヨガには、瞑想、呼吸法、ヨガ哲学の教えなど心の状態を向上させるツールが充実しているため、ヨガを心のコンディショニングに活用するのもいいでしょう」(山田先生)
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