許せない人を忘れたいと思ったときの対処法

 許せない人を忘れたいと思ったときの対処法
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石上友梨
石上友梨
2019-08-19
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相手の視点に立って分析する

相手を主人公にして、相手の視点に立って分析してみる方法です。特に紙に書いて分析することをおすすめします。まず、相手の状況を細かく書きます。次に相手の「考え」「気持ち」「行動」を書き出します。知ってる情報を盛り込み、分からないところは想像で補いながら相手を主人公にしたストーリーを書き出します。

例えば、夫との関係で悩む妻の話です。「金曜日の夜、明日は休みだから夫とのんびり話をしながら映画でも見たいと思って声をかけた。夫は何も答えずに寝室に行き、電気を消して寝てしまった。呆然としたあと、怒りと悲しみが同時に襲ってきて、なんでこんな人と結婚したんだろうと涙が出てきた。」というエピソードを夫の視点に立って分析してみましょう。

状況:今週は仕事が忙しかった。やっと1週間終わり、今日こそはたっぷり寝ようと思い早めに自宅に帰った。妻は何か話をしたいようで、俺が忙しかったことを知っていたと思うけど「お疲れ様」という労いもなく、一方的に話しかけてきた。

考え:「今日くらい早めに寝かせてくれ」「静かに過ごしたい」「お疲れさまくらい言って欲しかった」

気持ち:疲労感100%、 怒り80%、イライラ80%

行動:妻を無視して寝室にいく

相手の視点に立って「こんな状況だったのかな?こんな風に思っていたのかな?」と考えてみることで、視野が広がります。客観的な視点が得られることで怒りが軽減しやすくなります。また、紙に書き出すなど外に出すことで、脳への負担も軽減されます。

最後に

相手を許すことは、その相手と接触することではありません。また、相手を許したからといって、その相手と連絡を取る必要も、接触する必要もありません。別の問題になります。

そして、一番大切なことは自分の辛さを軽減することです。相手のために自分が対処するのではなく、相手が許せなくて辛いのならば、自分の辛さを軽減するために対処するということです。

許せない相手がいて、自分自身が苦しむことや、自分の大切な時間が奪われていくことはとてももったいないことです。

もし、許せない相手がいて苦しい場合は、ぜひ自分の辛さを軽減するために対処法を実践してみてください。

ライター/石上友梨
臨床心理士/公認心理師 大学・大学院と心理学を学び、警視庁に入庁。職員のメンタルヘルス管理や、心理カウンセリング、スポーツ選手へのメンタルトレーニングなどを経験。ヨガや瞑想を本場で学ぶためインド・ネパールへ。全米ヨガアライアンス200取得。現在は認知行動療法をベースとした心理カウンセリング、セミナー講師、ライター、ヨガインストラクターなど、活動の幅を広げている。また、発達障害を支援する活動にも力を入れている。

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