ヨガが辛いのは胸郭の硬さが原因?理学療法士が勧める胸郭のストレッチ法
「6方向に動く脊柱」エクササイズ
次に脊柱のエクササイズです。脊柱の6方向の可動性を充分に保つことで、胸郭と肺の広がりに貢献します。そのための3つのエクササイズです。
①屈曲と伸展
「スフィンクスポーズ」でCAT&COW
うつ伏せで肘をついたスフィンクスポーズで、吸って胸椎を反らす、吐いて胸椎を丸める動きを10回繰り返します。CAT&COWは脊柱全体ですが、これは胸椎のみの屈伸運動であることがポイントです。ですので恥骨とお臍はマットに固定したままで、みぞおちを頂点にイメージしながら動きます。
②右側屈・左側屈
「マーメイドポーズ」
スカーサナで座り、片手をマットにつき反対の腕を上げて体側を伸ばします。伸ばした状態で3呼吸×左右2回ずつ行いましょう。ポイントは、伸ばすのは上の脇腹だけでなく、下の脇腹も引き上げて伸ばします。床についた手で床を押し続けて、両方の体側を伸ばしましょう。
③右回旋・左回旋
「マーラーサナ」でツイスト
マーラーサナから、片腕を膝の内側に伸ばして手のひらをマットにおきます。その腕は膝が前に出てくるのを抑えるストッパーにしつつ、反体側の腕を天井にできるだけ伸ばします。尾骨と頭頂を引き伸ばしつつ、背骨のツイストを3呼吸×左右2回ずつ行いましょう。
この「6方向に動く脊柱」エクササイズ①②③を行ったあとに、もう一度同じ「3次元に広がる胸郭」エクササイズ①②③をぜひ試してみてください。脊柱のエクササイズを行った結果、最初よりも今の方が呼吸の広がりや深まりを実感することができたならOKです。
最後に
私たち人間が1日平均2万回行っている呼吸。呼吸は無意識にしているものでもあり、また意識的にコントロールすることもできるものです。
胸郭の柔軟性を高めることで、呼吸の質が高まります。息苦しかったポーズや、途切れやすかった呼吸が、今日からきっと変わるはずです。皆さんのヨガの質もこれからますます高まっていくことでしょう。
ライター/堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。モデルやレポーターとして活動中ヨガと出会い、2006年にRYT200を取得。その後、健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士国家資格を取得し、慶應義塾大学大学院医学部に進学。現在大学病院やスポーツ整形外科クリニックで、運動機能回復のためのリハビリ治療に携わる。RYT200解剖学講師も務める。
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