いつも不満ばかりで満たされない...|心に効く“ヨガ哲学の処方箋”
さらに例え話で、家では、お母さんがご飯を毎食作ってくれるとします。自分はご飯を作ることができません。作って貰っていても、「味が薄い」「おかずが足りない」「ご飯の炊き加減が固い」「カロリー高い」などと不満ばかり言っているときは、相手のことを考えていないことが多いでしょう。
ヨーガの言葉の中に「サントーシャ」という言葉があります。サントーシャは知足と訳され、足るを知るという意味があります。「足りていること、満たされていることを知りましょう」という教えです。自分は何もしていなくても、ご飯が出てきて、洗い物までしてもらえていたら、こんな幸せなことはありませんし、洗濯、掃除、買い出し、仕事をしながらもご飯を毎食作ってくれていたとしたら、感謝しかありません。さらに、経験していないのに、不満を言ってしまうことが問題かもしれません。
一度、ご飯の支度から洗い物までを、今の仕事をしながらでも、何日間か準備をしてみると、お母さんの大変さがわかり、不満よりも感謝の気持ちが出てくるのではないでしょうか? 自然や他人も自分の思い通りに動いてくれるわけではありません。生かされていること、支えられていることの、小さなことでも感謝の心で過ごしましょう。
今ある不満が、視点が変わって感謝・満足に変わったら、たくさんの幸せが身近にあったことに気付くでしょう。
教えてくれたのは…谷戸康洋先生
器械体操でインターハイ、国体に出場した経験を持つ。2006年、whitebirch yoga groupを設立し、2012年に自身のスタジオ「fika」を山梨県にオープン。全国のイベントやワークショップでも指導を行う。ヨガジャーナル日本版連載「漫画で読むヨガ哲学」を監修。
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