距離が近くなってから後悔しないために…心理師が教える「ナルシシズムが強い人の見極め方」

 距離が近くなってから後悔しないために…心理師が教える「ナルシシズムが強い人の見極め方」
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石上友梨
石上友梨
2025-04-21

ナルシシズム(自己愛)が強い人と一緒にいると、自分の気持ちが無視されているように感じたり、責められて罪悪感や劣等感を感じやすくなります。今回は、距離が近くなりすぎて離れづらくなる前に、ナルシシズムが強い人を見極める方法について紹介します。

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ナルシシズム(自己愛)が強い人とは

ナルシシズムが強い人とは、自分への関心が強すぎて、他人の気持ちや境界を尊重できない人です。一方で、初対面では魅力的に見えることが多いです。自信があり、話も上手で、カリスマ性を感じる人も多いです。表面的には魅力的でも、二人の関係が深まるにつれて一緒にいることで心の苦しさが生まれやすくなります。

1. 気持ちが無視される

自分の欲求や感情を最優先する傾向があるため、相手の気持ちや困りごとに共感することは少ないでしょう。「私の話、全然聞いてくれてない…」と感じることが増えていきます。

2. 理不尽な罪悪感や劣等感を感じる

自分を正当化するために相手を責めたり、「お前のせいだ」と相手のせいにしたりします。「私が悪いのかな…」と、本当は悪くないことまで自分を責めないように注意が必要です。

3. コントロールされる

恋愛の初期はあなたに優しさや称賛をたっぷりくれます。でも徐々に、「こうあるべき」「お前は俺/私がいないとダメだ」といった、支配やコントロールが強くなっていきます。自由や安心感がなくなり、「自分らしさ」を失っていきます。

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ナルシシズムの強さを見極めるポイント

・会話が「一方通行」になっていないか?
→ あなたの話にちゃんと耳を傾けてくれるか、質問を返してくれるか。いつも話題の中心にいたがるか、こちらの話題をすぐ自分の話にすり替えることが多いか。

・相手が他人(特に弱い立場の人)にどう接しているか?
→ 店員さん、家族、動物などへの態度は、長期的な性格をよく表す。外面はよく見せるが、身近な人には高圧的または冷たい態度を取る。 人のミスや弱さを馬鹿にしたり、小さなことで見下す言動があるか。

・共感があるか?
→ あなたの悩みや小さな気持ちに対して、どんな反応をするか観察する。他人の感情に共感するよりも、「アドバイス」や「批評」が多いか。自分の意見ばかりを押し付けないか。

・自己中心性
→ 反論されたときに怒る、馬鹿にする、話をはぐらかすなどの反応がある。自分の予定や希望を優先し、相手の都合に配慮しないことが多い。「ありがとう」「ごめんね」が言えない、あるいは極端に少ない。

・承認欲求の強さ
→承認や賞賛をとても欲しがる。褒められないと不機嫌になる。自分が世間から認められていない感覚が強い。自分の失敗を認めることが少なく、責任は他人のせいにしがち。

ナルシシズムが強い人を引き寄せやすい性格

ナルシシズムが強い人とばかり関係を深めてしまう人がいるかもしれません。それはなぜでしょうか。

1. 「尽くすことで愛されたい」スキーマ

幼少期の人間関係や過去の恋愛で、「自分のニーズよりも相手を優先しないと愛されない」というスキーマ(信念)が根付いていることがあります。結果として、自己主張が強くコントロールしがちな強い相手と関係を結びやすくなります。

2. 共感力が高くて“相手の痛み”に敏感

「この人も苦しんでいる」「この人を理解できるのは私だけ」と思ってしまい、相手の過去の傷や孤独感に同情して関係を続けてしまう。ナルシシストにとって「共感してくれる人」は理想の“鏡”になりやすく、執着や支配の対象になりやすい。

3. 自己肯定感が低く、評価を外に求めやすい

「ちゃんとできてる?」「認めてくれてる?」という不安が強いと、ナルシシストと出会ったばかりの優しく称賛をしてくれる時期に心を掴まれやすいです。付き合いが深まって否定が増えると、「私が悪いのかも…」と自己責任化してしまいます。

4. 自他の境界線が曖昧で、“相手の感情”に巻き込まれやすい

「怒らせたくない」「嫌われたくない」と思うあまりNOが言えず、相手の機嫌や感情の波に振り回されてしまう。

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同じ関係性パターンを繰り返さないために

人間関係のパターンは多くの場合「親との関係」など幼少期の身近な人との関係が影響します。たとえば、感情的・自己中心的な親に育てられた、いい子でいないと愛されなかった、「役に立つ子」であることで親の期待に応えてきた等の環境で、「愛されるために頑張る」「私が我慢すればうまくいく」「私は後回しでいい」という心のクセがつきやすくなります。

同じパターンを繰り返さないためには、まず「気づく」こと。何の影響で今の自分があり、どのような人間関係のパターンになりやすいのか気づきましょう。そして、安心できる人間関係の中で、自分の価値観を見つめ直しましょう。安心できる人と「今日は疲れてるから、話はまた明日でもいい?」など小さなNOを練習することも有効です。

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