サボる、不機嫌になる…「受動的攻撃」私も、しているかも?心理師が教える、受動的攻撃をやめる方法

 サボる、不機嫌になる…「受動的攻撃」私も、しているかも?心理師が教える、受動的攻撃をやめる方法
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石上友梨
石上友梨
2025-04-15

受動的攻撃(パッシブ・アグレッシブ)とは怒りや不満を直接的に表現せず、サボる・不機嫌になるといった形で表す行動のことです。もしかして私も受動的攻撃しているかもと心配していませんか?受動的攻撃に気づき、受動的攻撃をやめる方法を心理師が解説していきます。

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受動的攻撃とは?

受動的攻撃とは、怒りや不満を直接的に示さず、間接的に表現する行動や態度のことです。表面上は協力的だったり無関心に見えたりしますが、内面では敵意や抵抗感を抱いています。例えば、「皮肉や嫌味を言う」「わざと仕事を遅らせる」「無視やそっけない態度を取る」「忘れたふりをする」「不機嫌になったり体調不良になる」などの行動や態度をとります。

受動的攻撃をしていないかセルフチェックしよう

もちろん状況によって受動的攻撃することは誰にでもあることです。しかし、いつでもどこでも受動的攻撃性の強いコミュニケーションを繰り返していると対人関係に影響が出ます。そのため、受動攻撃的な言動がないか自分自身を振り返ることが重要です。自分でできるセルフチェックとして、以下の項目を確認してみましょう。

①感情に気づく

 不満や怒りを感じたとき、自分の感情に気づいていますか?自分の感情に気づくのが苦手だと、感情に巻き込まれて衝動的に行動しやすくなります。

②対人関係のパターン

 受動的攻撃が起こりやすいような対人関係パターンに陥っていないですか?例えば、支配される関係であったり、ストレートな自己主張がしづらい関係であったりです。

③自己主張できない

自分の意見や感情を率直に伝えるのが苦手ではないですか?遠回しに伝えて、気づいて欲しいと感じていませんか?

④他責になりやすい

「自分は悪くないのに」と問題を人のせいにしがちですか?もしくは何事も「〇〇のせい」と責任を何かに帰属させやすいですか?

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受動的攻撃をやめるために

受動的攻撃をやめるために、健康的な自己表現を身につけましょう。

①感情に気づく

まずは感情を押し殺さずに、ありのままの感情に気づき、受け入れることが大切です。感情を推し殺してばかりだと、必ずどこかで爆発したり、遠回しな形で漏れ出てしまいます。気持ちを書き出すジャーナリングを習慣化したり、マインドフルネスを練習したり、感情にありのまま気づき受け入れることに慣れていきましょう。

②セルフ・コンパッションを高める

受動的攻撃をしてしまう背景には傷ついた心やストレートな自己表現が出来なかった環境などさまざまな要因があります。少なからず傷ついた心に対して、自分で自分に優しい気持ちを向けましょう。例えば、胸元などに手を置き、手の温かさを感じながらゆっくりと深呼吸をします。自分に対して労いの気持ちを向けたり、心の中に今の気持ちを受け止めるスペースを作るイメージをしてみましょう。

③健康的な自己主張のスキルを高める

感情を素直に表現する「アサーション・トレーニング」がおすすめです。以下を参考に、少しずつ受動的攻撃ではないコミュニケーションを練習していきましょう。

・アイ・メッセージ 

自分の気持ちや考えを「私」を主語にして伝える方法です。相手を責めずに自分の感情を伝えることができます。例「話しているときに途中で話をさえぎられると(私は)何を話しているのか分からなくなってしまいます。話を最後まで聞いてもらえると(私は)嬉しいです。」

・相手の良いところを認めてから伝える

自分や相手の良いところを認めつつ、自分の意見も伝える方法です。例「あなたの意見はとても参考になります。その一方で、別の視点として私の考えもお伝えしたいです。」「その依頼はとても魅力的ですが、今の状況ではお受けするのが難しいです。お役に立てず申し訳ありません。」

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直接的な表現をしながら相手と健康的な対人関係を築く練習をしてみましょう。自分の気持ちや意見をそのまま伝えた方が、相手から「大切にされている」「受け入れてもらっている」という感覚が高まるかもしれません。良かったら少しずつ取り入れてみましょう。

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