〈ドライフルーツ、素朴な疑問〉果物は干す前と後で比較して栄養は変わるの?管理栄養士が回答

 〈ドライフルーツ、素朴な疑問〉果物は干す前と後で比較して栄養は変わるの?管理栄養士が回答
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古山有紀
古山有紀
2025-04-05

そのまま食べても、ヨーグルトやお菓子に加えても美味しいドライフルーツ。ドライフルーツは、生の果物を干したものですが、干すことで栄養に変化があります。本記事では、フルーツを干す前と後での栄養の変化について紹介します。

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ドライフルーツの栄養変化

ドライフルーツと生の果物では、栄養価にどのような違いがあるのでしょうか。下にレーズンと生のぶどうを比較してみました。

◆エネルギー

生の果物:3kcal

ドライフルーツ:58kcal

◆たんぱく質

生の果物:0.4g

ドライフルーツ:2.7g

◆脂質

生の果物:0.1g

ドライフルーツ:0.2g

◆糖質

生の果物:15.7g

ドライフルーツ:80.3g

◆カリウム

生の果物:130㎎

ドライフルーツ:740㎎

◆カルシウム

生の果物:6㎎

ドライフルーツ:65㎎

◆マグネシウム

生の果物:6㎎

ドライフルーツ:31㎎

◆鉄

生の果物:0.1㎎

ドライフルーツ:2.3㎎

◆ビタミンB1

生の果物:0.04㎎

ドライフルーツ:0.12㎎

◆ビタミンB6 

生の果物:0.04㎎

ドライフルーツ:0.23㎎

ドライフルーツと生の状態とで、栄養価が変化しているのがわかります。果物の種類によって栄養価は異なりますが、ほぼ全ての果物が干すことによって栄養価が変わります。

なぜ果物を干すことで栄養価が変わるのか

ドライフルーツは、生の果物から水分を蒸発させたものです。栄養素が凝縮されるため、生の果物に比べて栄養価が高くなります。ほとんどの栄養素が増えるため、生で食べるより体に良いとされますが、中にはビタミンCのように干すことで減少する栄養素もあることを把握しておきましょう。

干すことで生じるメリット

先述の通り、果物は干すことで栄養価に変化があります。ここでは、果物をドライフルーツにすることで生じるメリットを解説します。

生の状態より栄養価が増す

果物をドライフルーツにすると栄養価に変化があるのは先述の通りです。中でも、食物繊維はより多く増えるため、ドライフルーツを食べることで腸内環境を整えて便秘を改善する効果が期待できます。また、貧血予防に役立つ鉄もドライフルーツにすることで効率的に摂取しやすくなります。

保存可能な期間が長くなる

ドライフルーツは水分が極めて少ないため、品質を長く維持できるようになります。生の果物では保存が難しい場合も、ドライフルーツにすることで長期保存が可能になります。いつでも好きな時に果物を食べられるのもドライフルーツのメリットです。

少量で満足感が得られる

生のフルーツに比べると見た目は小さいドライフルーツですが、干すことで中身が凝縮されているため、少量でも満足感を得ることができます。ヨーグルトに加えるとより美味しく、満足感も得られるようになります。

ドライフルーツを食べる際のポイント

栄養価の高いドライフルーツを健康的に食べるためには、いくつかのポイントがあります。食べる際の参考にしてみてください。

食べ過ぎない

栄養価の高いドライフルーツですが、食べ過ぎはよくありません。生のフルーツに比べてカロリーが高いこともあり、食べ過ぎはカロリー摂取過多で肥満の原因にもなります。一度にたくさん食べ過ぎないように注意しましょう。

砂糖、添加物の入っていない物を選ぶ

ドライフルーツは、砂糖をまぶして水分を抜いてから乾燥させたり、砂糖で煮詰めてから乾燥させるなど様々な製造方法があります。そのため、商品によっては多量の砂糖や添加物が入っているものがあります。そのような商品は、糖分の摂り過ぎの原因になりやすいため、ドライフルーツを選ぶ際には原材料表示を確認し、できる限り果物のみで作られた商品を選びましょう。

摂りたい栄養素が多いものを選ぶ

ドライフルーツは、材料となる果物の種類によって含まれる栄養素が変わってきます。

例えば、便秘予防に役立つ食物繊維が豊富な「干し柿」、貧血予防に効果的な鉄分が多い「プルーン」、美容に役立つビタミンが多い「ドライマンゴー」といったように、目的に合ったフルーツを選ぶと良いでしょう。また、数種類のドライフルーツを組み合わせるといろいろな栄養素を摂ることができるので、そのような食べ方もおすすめです。

 

【参考】

文部科学省|食品成分データベース
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