「わけもなく突然涙が出てくる」「悲しくないのに涙が流れて止まらない」その原因とは?対処法もご紹介


「わけもなく突然涙が出てくる」「悲しくないのに涙が流れて止まらない」など悩んでいませんか?その涙は心や身体からのピンチのサインかもしれません。今回は何もないのに突然涙が出てくる理由と対処法について解説します。
何もないのに突然涙が出てくる理由とは?
まずは涙が勝手に出てくる理由を探ってみましょう。
ストレスの緩和
涙には以下の3種類があります。
・基礎分泌の涙:目の潤いを保ち、目を保護するための涙
・反応性の涙:目に異物が入ったときに反射的に流れる涙。目にゴミが入ったり、玉ねぎを切ったりしたときに流れる涙
・情動性の涙:心を揺り動かされた時に流れる涙
これらの涙のうち、「情動性の涙」にはストレスでいっぱいの心や身体をリセットし、リラックスした状態へと導く作用があることがわかっています。
つまり、勝手に涙が出てくるときには、心身に強いストレスがかかり、情動性の涙があふれている可能性があります。放っておくと、心身の不調につながるかもしれません。
流涙症
「涙が出て止まらない」という背景には、「流涙症」という病気が潜んでいる可能性があります。流涙症とは、なんでもない時に涙目になったり、時には涙があふれてしまったりする病気を指します。
流涙症には、「導涙性流涙」と「分泌性流涙」の2種類があります。
■導涙性流涙
本来、涙は「涙腺」から分泌され、目を潤した後、「涙点」に吸収されて「涙道」を通り、鼻腔へと抜けていきます。ところが何らかの理由で涙道が詰まると、常に涙目になったり、涙があふれたりしてしまいます。これを導涙性流涙といいます。
■分泌性流涙
分泌性流涙とは、目が刺激に敏感になった結果、涙が過剰につくられ、目からあふれてしまう状態を指します。例えば、ドライアイや結膜炎などが原因として挙げられます。

突然涙が出てくるときの対処法
ここからは、突然涙が出てくるときの対処法を見てみましょう。
ストレス解消
ストレスにより涙が出てきてしまう場合は、心身のストレスを適度に解消することが必要です。ここでは3つのストレス解消法をご紹介します。
■休養
ストレス解消法として最も効果的なのは、適度な休養をとることです。
特に「睡眠」はストレス軽減には不可欠。多くの研究で、睡眠の質や時間が不十分な場合、心身の不調につながることが示されています。また、睡眠不足はネガティブな感情を引き起こしやすいこともわかっています。(※1)
良質な睡眠のための環境づくりのポイントは以下の3つです。
・寝室はできるだけ暗くする
・入浴は就寝1~2時間前に行う
・快適な室温を保つ
■適度な運動
適度な運動もストレス軽減に役立ちます。
ある研究では、運動習慣のあるグループと運動習慣のないグループを比較したところ、運動習慣のあるグループはないグループよりも「気力の減退」や「身体不調」を感じていないことが示されました。(※2)
運動の内容としては、軽い有酸素運動がおすすめ。ウォーキングやサイクリングなど普段の生活に取り入れてみましょう。
■呼吸法
呼吸法とは、腹式呼吸によって心身をリラックスした状態へと導く方法です。
いくつかの種類がありますが、ここではシンプルな方法をご紹介します。
【呼吸法】
1.約4秒かけて鼻から息を吸い、お腹のふくらみを感じる
2.1~2秒ほど息を止める
3.約8秒かけてすぼめた口から息を吐き、お腹がへこんでいくのを感じる
4.1~3の手順を3回ほど繰り返す
医療機関の受診
自分で対処するのが難しいほど、涙が出てくるときは医療機関を受診してみましょう。もしかすると、うつ病や適応障害などの精神疾患にかかっているかもしれません。その場合は薬物治療や認知行動療法などによって症状を改善することができます。
また、流涙症の場合も適切な治療を受けることが重要。悪化しないうちに医療機関を受診しましょう。
参考文献
※2 小田切優子・下光輝一・松原大・大谷由美子・井上茂(2002)定期的運動習慣が日常生活での疲労軽減に及ぼす効果に関する研究
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