診断される人が増えている〈自閉スペクトラム症(ASD)〉女性の恋愛の特徴とは?臨床心理士が解説


自閉スペクトラム症(ASD)特性を持っている人は恋愛にどのような特徴があるのでしょうか?ASDの傾向がある、ASDと診断される人は以前よりも増えています。今回はASDの女性の恋愛についてご紹介します。
ASDの女性の恋愛の特徴とは?
ASDの女性の恋愛には以下のような特徴がみられることがあります。もちろん個人によって異なり、ASDの女性みなさんに当てはまるわけではありませんのでご注意ください。
1. コミュニケーションの苦手さ
ASDの女性は、コミュニケーションや想像力の苦手があり、他者の動作や振る舞い等から意図やサインを読み取りづらい場合があります。そのため、恋愛においても相手の好意に気づかなかったり、反対に好意だと勘違いしてしまったりする場合があります。また、苦手さを自覚しているからこそ、感情や意図を読み取ろうと頑張り過ぎてしまい気疲れすることがあります。
2. 変化を好まない
ASDの女性は、予測できることやルーティンの維持、安定性を好む傾向があります。予測できない状況や変化に対し不安を感じ、本当は一歩踏み出したくても安定性を優先して友人関係を維持したり、別れたくてもそのまま関係を維持してしまう場合があるでしょう。
3. 感覚過敏や感覚鈍麻
ASDの女性は、特定の感覚への過敏な反応を示す場合があれば、反対に感じづらい場合があります。音や光、触覚などのある刺激に対して敏感であるため、恋愛関係でも感覚的に合わない場合や感覚的にとても惹かれる場合があります。例えば、好きな声や苦手な声色があったり、肌の感覚や匂い等の相性があるかもしれません。
4. 直接的な表現や素直さ
ASDの女性は、直接的な表現や率直なコミュニケーションを好む傾向があります。感情や意図を遠回しに伝えるよりも、直接的な表現を用いて自分の気持ちや考えを伝えやすいでしょう。
5. 興味や関心の狭さ
ASDの女性は、特定のトピックや活動に対して深い関心を持つことがあります。共通の趣味や話題がある相手を選びやすい一方で、相手の容姿に関心がいく場合は性格など内面よりも「見た目の好み」にとらわれてしまう可能性もあります。
ASDの女性が恋愛する上での注意点とは?
ASDの女性が恋愛する上での注意点として、以下のようなことが考えられます。
1. コミュニケーションスタイルを理解してもらうこと
ASDの女性は、非言語的なサインやニュアンスを理解するのが難しい場合があります。パートナーとコミュニケーションを円滑にするために、双方が明確な表現や直接的なコミュニケーションを心掛けられるといいでしょう。また、意図が分からない場合は相手に確認できる関係性が築けるといいでしょう。
2. 予定を変更する際の早めのアナウンス
ASDの女性は、予測可能性やルーティンの維持ができないと強い不安を感じることがあります。予期せぬ予定変更がある場合は、早めに連絡をしてもらうこと、事前に変更の可能性を教えてもらうこと、事前に別のプランを考えておくことなど、工夫が必要です。
3. 感覚過敏への配慮
ASDの女性は、感覚的な過敏性を持つ場合があり、苦手な環境を避ける工夫が必要な場合があります。例えば、騒がしい場所や人が多い場所、強い光や強い匂いの場所を避けるなどです。
4. こだわりや特性への理解
ASDの女性は、それぞれこだわりや個性があります。もちろんASDの有無には限らないことですが、双方の個性を尊重し、柔軟性を持って関係を築くことが重要です。
ASDの女性は悪い相手に騙されやすいの?
ASDの女性が悪い相手に騙されやすいと一概に言えるわけではありませんが、注意が必要です。ASDの女性は社会性やコミュニケーションの苦手さがあります。そのため、他者の意図や信憑性を判断する際に、表面的な言葉をそのまま信じてしまい、悪意を持つ人や詐欺師に対して騙されやすい可能性があるかもしれません。また、ASDの女性は、人間関係において誠実さや信頼性を重視する傾向があります。そのため、相手の言葉や行動を真剣に受け止めた結果、影響を受けやすくなったり、相手を信頼してしまったりする場合があります。信頼できる友人や家族、専門家の助言を求めながら、自分を守るスキルや危険を回避するスキルを向上させることが重要です。
ASDの女性は恋愛に執着しやすいの?
ASDの女性は、特定のトピックや興味に対して深い関心を持ち、それに対して強い情熱や執着を持つ傾向があります。恋愛関係でも同様に、特定のパートナーに対して強い愛や執着心を抱くことがあるかもしれません。このようなこだわりが強くなりすぎる場合、パートナーに過度のプレッシャーや束縛を与える可能性や、過去の恋愛が忘れられずにいつまでも引きずってしまう場合があるでしょう。そのため、相手を尊重すること、バランスを保つことが重要です。「こだわり」の特性が出ていることに気づき、上手に付き合っていけるといいでしょう。
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