「指の曲げ伸ばしをすると引っかかる感じがする…」更年期の【ばね指】原因と対策ケア

 「指の曲げ伸ばしをすると引っかかる感じがする…」更年期の【ばね指】原因と対策ケア
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永田京子
永田京子
2025-03-26

「指の曲げ伸ばしをすると引っかかるような感じがする」「指の関節が痛む」そんな症状が進行すると起こることがあるのが「ばね指」です。文字通り、指がバネのようにパンッと伸びるような症状です。このばね指、実は更年期の女性に起こりやすいことが分かっています。今回はばね指とはどのような症状か、その原因は何か、なぜ更年期に起こりやすいのかをお伝えするとともに、予防や対策ケアになる簡単な体操を紹介します。

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腱鞘炎が進行すると起こる「ばね指」

先日このようなご相談をいただきました。

  「指をまげると引っかかるような感じがして、病院に行きました。「ばね指ですね」と言われたのですが、どうしてよいかわかりません。自分でできるケアがあれば教えていただきたいです。」(50代女性) 

ばね指は、手の指に起こる腱鞘炎(けんしょうえん)が進行すると現れる症状の一種です。指を伸ばそうとすると、バネのように急にカクンと伸びてしまいます。腱鞘炎の症状としては、指の付け根の痛みや腫れ、熱感のほか、指を曲げ伸ばしすると引っかかるような感じが代表的です。進行すると、ばね指の症状が起こるほか、指が動かなくなったり、指を握ってから開こうとすると、ばね指の症状がある指だけ曲がったままで開かなくなる場合もあります。特に起こりやすいのが、親指や中指、薬指です。

腱がトンネルのような「腱鞘」に引っかかって起こる

骨と筋肉は「腱(けん)」という組織によってつながっています。手の指を通る腱は、手首から指先にかけて走っており、その腱が動くことによって指の曲げ伸ばしができます。腱は骨から離れてしまわないよう「腱鞘」という組織によっておさえられています。腱はトンネルのような腱鞘の中を通っている形になりますが、腱に炎症が起こると腫れなどによって、腱が腱鞘に引っかかることがあります。その腫れた部分がトンネルを通るときに引っかかったり、無理に通そう(指を伸ばそう)とするとバネのようにカクンと指が跳ね上がるようになるのです。進行すると、指を開かせるために反対の手で補助しないと開かないということもあります。

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原因は指の使いすぎやホルモンバランス、栄養不足

ばね指の原因は、大きく3つあります。

原因1:指の使いすぎ

指は日々の生活のなかで使わざるを得ない部分ではありますが、指の使いすぎが腱鞘炎、ばね指の大きな原因となります。例えば、毎日の家事やパソコン作業、スマートフォンの使いすぎ、楽器の演奏、ラケットを使うスポーツ(テニス、バドミントンなど)、文字を書き続ける、編み物などがあります。仕事や趣味に関わらず、手を使い続けることは、腱や腱鞘に負担をかけやすくなります。

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  原因2:ホルモンバランスの変化

腱鞘炎やばね指の原因2つ目は、ホルモンバランスの変化です。女性の場合、更年期、出産後、月経前などに女性ホルモンが急低下するなどバランスが乱れます。特に長期的に女性ホルモンの低下が続く更年期は要注意です。実は、女性ホルモンのエストロゲンは、腱や腱鞘を守ったり、炎症を抑えたりする働きがあります。そのため、働きが低下すると腱や腱鞘、関節を包む関節包の内側にある滑膜などに炎症が起こりやすくなります。

原因3:栄養不足

意外に思われるかもしれませんが、栄養不足だと関節はスムーズに動かしにくくなります。基本は栄養バランスのよい食事が大切です。腱などの材料となる鉄分やタンパク質、コラーゲンなどを食事からとることもよいとされています。

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写真:Kyoko Nagata
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