POSE & BODY
「ふらつき」の原因となる身体の機能|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと
理学療法士として活躍する得原藍さんが、ヨギに知ってほしい「体にまつわる知識」を伝える連載。第八回目となる今回は「姿勢保持にも運動にも重要な前庭覚の話」。
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姿勢保持にも運動にも重要な「前庭覚」
座面を回転させることのできる椅子に座ってください。そして、安全を確保しつつ、どなたかにあなたが座っている椅子を回してもらってください。20秒に10回転くらいの速さで回します。10回転したら止めてもらい、眼球を観察してもらいましょう。
すると、椅子はすでに止まっていて視野は安定しているのに、眼球が揺れていることがわかります。頭部の角度を変えて、例えば首を傾げたまま同じ実験を行うと、この眼球の揺れの角度も変わります。そのとき、外から観察した眼球だけでなく、自分自信の視界としても、まるで世界が回転しているようにぐるぐると回っているようにみえるのではないでしょうか。
前回、上述のとおり、ひとつ実験を紹介しました。身体全体が回転したあとで、眼球の揺れが起こる現象を確認できたでしょうか。
これは「眼振(がんしん)」と呼ばれる現象です(眼球振盪が正式な名称で、自分の意思とは関係なく眼球が揺れること)。仕組みとしては、電車から車窓を眺めている時に眼球が景色を追うように動く「視運動性眼振」と、頭部の加速に対して反対方向に眼球を運動させる「前庭動眼反射」が関わっています。どちらも、眼球の運動と、他の運動感覚を一致させ補正しようとする反応と言えるでしょう。
この自分の身体の傾きやスピードや回転を感じる感覚「前庭覚」について、少し詳しく説明したいと思います。
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