瞑想に匹敵する!知的能力に変化をもたらす食事とは

 脳によい食事
JENNIFER OLSEN
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うつ病や脳卒中のリスクを下げる地中海料理

食事が脳に及ぼす好ましい作用のひとつが、命に関わる慢性炎症(免疫系が過剰に反応して、常に攻撃している状態)と血管疾患(血管が損傷して、脳も含めて血液の供給が遮られたり制限されたりする状態)の予防だ。慢性炎症や血管疾患になると、うつ病や認知症、脳卒中が起きる可能性がある。短期間の炎症であれば、問題はない(ミクログリアと呼ばれる脳内の免疫細胞が、炎症を攻撃する物質を放出するなどして脳を保護するためだ)が、炎症が慢性化すると、ミクログリアはうまく働かず、炎症がみられない時にまで炎症性化合物を放出するようになってしまう。そして、時が経つにつれて、このような物質は健康な組織を守るどころか、破壊してしまう。
ただ幸いにも、世界でも指折りのおいしい料理、地中海料理が、脳の健康に最も効果的であるという研究結果が示されている(『地中海料理の基本』を参照)。このような食生活を続ければ、アルツハイマー病などの認知症の発症率が40%低下する。また、神経学の専門誌『Annals of Neurology』の2013年の概論によれば、うつ病や脳卒中のリスクも3分の1低下すると報告されている。「伝統的な地中海料理には、ビタミンC(オレンジやトマト)、カロチノイド(ほうれん草やマスクメロン)、ビタミンE(オリーブオイルやアーモンド)などの強力な抗酸化物質のほか、オメガ3脂肪酸(魚)など抗炎症化合物が豊富に含まれています」。こう説明するのは、フランス国立保健医学研究機構とボルドー大学で疫学と栄養学の研究を行っているキャサリン・フェアール博士だ。「このような栄養素は、脳に至る動脈のほか、脳自体も保護します。この食事を取り入れる時期が早いほど、効果は大きくなります。しかし、高齢になってから始めても恩恵は受けられます」。
フェアール博士の研究では、地中海料理によって、脳の50%を構成する白質が守られることがわかった。白質とは脳細胞の周りの保護鞘も含む組織で、学習と行動に関与している。博士は9年間にわたって、ボルドー市民のグループを追跡した。このグループの年齢は研究開始当時、65歳前後だった。地中海式の食生活を最も忠実に行っていた人たちは、10歳年下の人よりも、損傷を受けていない白質が多かっただけでなく、知的能力も優れていた。
要するに、私たちのお皿に載っている物が、私たちの感じ方や考え方、歳の取り方に直接関わっているということだ。今回は、皆さんがいつまでも鋭敏で幸せでいられるように、健全な脳機能にきわめて重要な栄養を豊富に含んだレシピを紹介する。お腹を空かせた脳に栄養を与えるために、このおいしくて賢い方法を参考にしていただきたい。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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Text by JANIS JIBRIN
Recipes by Jennifer Iserloh
Food styling by Elisabeth Hawkins
Prop styling by Nicole Dominic
Translated by Setsuko Mori
yoga Journal日本版Vol.50



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