【お悩み相談】「暑さが怖くて外出したくない…熱中症対策を教えて!」#毒出し保健室

 【お悩み相談】「暑さが怖くて外出したくない…熱中症対策を教えて!」#毒出し保健室
Photo by Jakob Owens on Unsplash

アーユルヴェーダの中で大切にされている考え方をシンプルに言うと、"体に毒を溜めない/毒を排出する"という『毒出し』。「大きな声ではちょっと言えない」「身近な存在の人には知られたくない」と言った悩み事を抱えていませんか? 体調や心の悩み、人間関係やら恋愛、夫婦やパートナー間のあれこれまで、皆さまの悩ませている毒を溜めずに排出するべく、アーユルヴェーダアドバイザー/ヨガ講師の桑子麻衣子がアーユルヴェーダとヨガの智慧をベースにお悩みに答えます!

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今回「毒出し保健室」を訪れてくれたのは、暑さが怖くて、外出できないとお悩みのJさん(42歳)。「暑さが怖いんです。数年前に熱中症になって以来、夏はなるべく外に出ないようにしていたんですが…」と話します。食生活やどのように過ごされることが多いのかお伺いしながら、熱中症対策についてアドバイスさせていただきました。

「アーユルヴェーダ的熱中症対策を教えて!」

桑子: こんにちは!今日はどういったお悩みでしょうか?

Jさん: 暑さが怖いんです。実は数年前に熱中症になってしまったんです。それ以来、夏はなるべく外に出ないようにしていました。けど、家にずっとこもってばかりだと精神衛生上良くないような気がして… 熱中症対策を教えて下さい!

桑子: はい!まず、熱中症対策をお話する前に、簡単にJさんの食生活について教えて下さい。夏は、どんなものを飲んだり、食べたりすることが多いですか?

Jさん: そうですね… 毎日欠かさず食べているのは、アイスクリームです。多い時には、1日に2本とか食べちゃいますね。食べ物は、そうめんとかお蕎麦とかが多いですね。あんまり食欲もなくて。あと、朝は抜くことが多いですね。

桑子: お部屋で過ごす時は、クーラーをつけていますよね?

Jさん: そうですね。私は、実は冷え性なので、そんなに温度設定は低くしたくないんですが、だけど、子どもが汗っかきで「暑い、暑い」と言うもので...21度とかにしています。たまに、18度くらいになっていることもあって、慌てて温度を上げます。

桑子: 湯船には毎日、浸かっていますか?

Jさん: いやいや、もう夏場はシャワーだけです。湯船にお湯をためることもありません。

桑子: 夏場に、体が冷えている、便秘になる、逆にゆるくなる、睡眠の質が下がるといったことはありませんか?

Jさん: 便秘になることがありますし、手足先が冷えていることはしょっちゅうですね。

アーユルヴェーダ的熱中症対策は、”冷ます”がキーポイント

現代人が抱える熱中症の原因の一つは・・・?

ご相談ありがとうございます!先日、「毎年熱中症で救急搬送される方が増加傾向にある」というニュースを見ました。巷では、熱中症対策グッズなども人気ですが、それらに加えて「普段の生活の中でも熱中症を予防しよう」というのがアーユルヴェーダ的な熱中症対策です。生活というのは、いくつもの選択がつながって成り立っているものなので、毎日の何気なくしている選択の中に、熱中症の原因の種が隠れていることがあったりします。

まず、最初にアーユルヴェーダの基礎的なお話をさせて下さい。これは、アーユルヴェーダをご存知の方であれば、耳にタコができてしまうくらい聞いてきたことかもしれないのですが、どうぞ復習だと思ってお時間を下さい。アーユルヴェーダで大切にされているのが、「冷やさない」ということです。こう毎日暑いと、アイスクリームも2本食べたくなりますし、お食事もツルッと食べれる冷たいそうめんやうどん、お蕎麦が食べやすいですよね。飲み物もできれば氷をたっぷり入れて、カランっという音に涼しさに涼しさを感じたり、冷房の設定温度は低くしたい。それはよく分かります。けど、実はそんな何気ない選択が、体を芯から冷やしているわけです。冷やすことと熱中症とは、一見してあまり関係のないようにも思えますが、体が冷えてしまうことで体温調整が上手くできなくなってしまうということがあるんです。例えば、冷え性の方などは汗をかきづらい人が多い傾向があることをご存知でしょうか。汗は、運動や暑い外気に触れたときに、体内の熱を体外に放出する大切な役割を果たしています。なので、汗は重要なんです。

とは言え、安心して下さい。「夏も温めよう」「厚着をしよう」というわけではありません。噛み砕いて言うと、”冷やす”というよりかは、”冷ます”といったところでしょうか。熱すぎるお味噌汁よりも、冷たいお味噌汁よりも、ちょうどいい温度のお味噌汁が、美味しいじゃないですか。そういった感じで、自分の体が熱を帯びているのであれば適度に冷まして、自分の体が夏なのに不快なレベルで冷たいのであれば温めてあげる、そんなふうに自分を適温にするのがキーになってきます。

アーユルヴェーダ的熱中症対策

□旬の食材で体の熱を”冷ます”

やみくもに、冷たい飲み物や食べ物を口にして冷やすのはNG。体の熱を冷ますような夏の食材などを取り入れるなどして、体を暑くしすぎず、また冷やしすぎないようにしましょう。

もちろん体質にもよりますが、例えば、夏の野菜や果物がおすすめ。ビタミンやミネラルなどの栄養素も同時に補給できるから夏バテしない体作りにも効果期待大。トマトやキュウリ、ナス、スイカ、ナシ、モモなどの旬の野菜や果物をスーパーで見繕ってみて下さい。野菜や果物は、そのものの水分が多く、体を適度に冷ましてくれるといわれています。余談ですが、私の住むシンガポールではアーユルヴェーダとの共通点の多い中医学が盛んですが、街なかには、フレッシュフルーツスタンドがあり、マンゴーやパパイヤなどが街歩きをしながら食べれたりします。フルーツ以外にも、きゅうりを丸かじりしている方もたまに見かけます。中医学もまたアーユルヴェーダと同様に、夏場は旬の食材を取り入れて体を冷まそうという考えが強いのだな、とマーライオンを見ながらきゅうりをポリポリかじっている人を見ると、思います。

□適度な運動

こう暑いと、中々体を動かすことも腰が重くなってしまいますが、適度に体を動かし汗をかくことも大切。何も、10キロ走るために朝4時半に起きたりする必要はありません。おすすめは、毎朝太陽礼拝を1セットずつからはじめてみてはいかがでしょうか。これを続けると、暑さに対し汗をかきやすい体作りもできます。

□しっかり食べる

夏はそうめんや冷たいうどん、蕎麦が美味しいですよね!私も大好きです。けれど、なるべくお食事は3食しっかり食べるのが◎。特に朝ごはんは重要。朝ごはんを食べることで、体内時計がリセットされて自律神経の働きが調整されると言われています。発汗の調整は自律神経が行っているため、自律神経を整えることによって、暑い時にはしっかりと汗が出るようになってきます。

□ 1日の終わりに湯船に浸かる

自宅ではもちろんですが、例えば電車内やお店の中、レストランやオフィスなどでも冷房は必ずついていますよね。しかも、自宅外の冷房は自分では温度設定をコントロールできません。体を冷やさないようにいくら努力しても、不可抗力で冷えてしまうことは多々あります。そんなエアコンで冷えてしまった体を元の状態に戻すという意味でも、1日の終わりは湯船に浸かるのがおすすめです。37度程度のぬるま湯で、じんわりと汗をかくくらいが理想的。

 

いかがでしょうか?普段の生活の中で、できる熱中症対策をご紹介させていただきました。短い期間ですが、夏はプールに海水浴、お祭りに花火など、この時期にしか楽しめないことも盛りだくさん。(もちろん気温と湿度が高い時は、ステイホームすべきですが)そんな夏を皆さんが思いっきり楽しめるヒントになれば嬉しいです。

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AUTHOR

桑子麻衣子

桑子麻衣子

1986年横浜生まれの物書き。2013年よりシンガポール在住。日本、シンガポールで教育業界営業職、人材紹介コンサルタント、ヨガインストラクター、アーユルヴェーダアドバイザーをする傍、自主運営でwebマガジンを立ち上げたのち物書きとして独立。趣味は、森林浴。



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