湿度のだるさ・疲れには、「腎」。管理栄養士が教える、おいしく食べて労わる〈養生食の選び方〉3選

 湿度のだるさ・疲れには、「腎」。管理栄養士が教える、おいしく食べて労わる〈養生食の選び方〉3選
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松田 真紀
松田 真紀
2024-06-28

湿度と気温が上がり、だるさや疲れを感じやすい時期。これは体の中の毒素を排出できずにいることも原因のひとつ。この時期、負担がかかる臓器が「腎機能」。体が暑さに慣れていないこの時期は、おいしく食べて、やさしく腎を労ってあげましょう。腎臓は一度傷付いたら元に戻らない臓器。できるだけ丁寧に扱ってあげたいですね。

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食事療法全てに共通して言えることですが、「そればっかり」偏って食べ続けることで体に良い食べ物はありません。

需要なのは「多様性」です。

特に「腎臓」ついては注意が必要で、例えば腎臓には「カリウムは悪いらしい」とむやみに野菜や果物を制限すると、大切な食物繊維ビタミンやポリフェノールといった体を正常に保つ栄養素が欠落し体全体の免疫力が低下する可能性があります。

また、最近増えているのが、「健康に良い」と言われる食品の「偏った」摂取で起こる「遅延性アレルギー」「過敏性大腸炎」。極端な食事そのものが体に負担をかけています。タンパク質についても、動物性のプロテイン摂取や偏った肉食は腎臓に負担をかけますが、青魚や卵、大豆やえんどう豆など植物性タンパク質などは良質で、腎臓機能の維持や細胞化性に不可欠です。

何事もバランスが大事。くれぐれも自己判断での極端な食事制限は控えましょう。

そこでおすすめしたいのが、「腎機能の負担を軽減してくれる優しい食材」のチョイスです。

例えば魚でも、毎日「さばを食べ続ける」というよりは、さば、イワシ、サーモン、たまにやじゃこやツナなど、バリエーションをもって取り入れてみてください。調理法の、例えば生でも、お刺身が続いたらカルパッチョ、ボイルしてホットサラダなどと変えていくことで、オリーブオイルやビネガーなどの抗酸化作用の高い調味料を摂取できるようになります。

即効性はありませんが、体に優しい食材を偏ることなく選びながら食事としていると、確実に体は変わっていきます。

1週間単位、1ヶ月単位で、毎日の食事で、「積極的にチョイスする」くらいのイメージで生活してみてはいかがでしょうか。

『腎臓に優しい食事の選び方』(かかりつけの医師からリンやカリウム制限が必要ない場合)

1)青魚・アボカド・無塩ナッツ・大豆製品で血管の老化を防ぐ

さば、イワシ、サンマなどの青魚にはオメガ3系脂肪酸のDHA、EPAが含まれます。これは血管の老化を防ぐことで腎機能の負担を軽減してくれます。サーモンも白身魚ですが、DHAやEPAが豊富。また手軽な雑魚やツナ缶でもチャージできます。魚と同じオメガ3オイルが摂取できるのが「くるみ」「アボカド」。魚が苦手な方におすすめです。

大豆に含まれる大豆イソフラボンという抗酸化栄養素も血管の老化を防いてくれます。大豆、納豆、豆腐、油揚げ、厚揚げ、豆乳、きな粉など大豆製品は豊富ですから、手軽に取り入れやすいのも嬉しいですよね。

2)生成されていない茶色い炭水化物

ライ麦や玄米、大麦、オーツ麦、蕎麦などの穀物はポリフェノールや食物繊維に加えてビタミンB群やマグネシウム、鉄分などが豊富。毒素を排出する腎臓にとってなくてはならない栄養素です。主食として週に2、3回変えるだけでも体質改善に効果が期待できるとされています。チェンジしてみてはいかがでしょうか?

3)酢・レモン

食べ物よりも飲み物に入れたり、ドレッシング代わりにふりかけたりと取り入れやすく、かつ、効果的なのがこの2つ。優れた抗酸化作用と抗炎症作用でAGESの体内での吸収を抑制します。人機能を守ります。酸味は料理に加えることで旨味を感じることができ、塩分を抑える働きもあります。疲労回復にも効果的。サラダや魚、肉類に絞ったり、白湯に入れたりして積極的に取り入れてみましょう。

4)ベリー類

ブルーベリーに代表されるベリー色のポリフェノールは腎臓の細胞を保護する助けとなります。

最も大切なことは「こまめな水分摂取」

腎機能を守るために大切なことは血中毒素が体内に貯まらないように排出する水分です。利尿作用のないノンカフェインかつ常温の体に優しいハーブティーやルイボスティー、白湯などをコップ1杯程度ずつ。 人によって必要量が異なりますので、まずは、朝起きて1杯、朝昼晩の食事前、食事後、から始めて喉が乾く前に飲んでみてください。

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松田 真紀

松田 真紀

1972年、兵庫県生まれ。管理栄養士。日本抗加齢医学会認定指導士。アスリートフードマイスター3級。女子栄養大学卒業。株式会社バードワークス代表取締役。1994年、明治乳業株式会社入社。その後、電通など広告代理店勤務を経て、2014年、スポーツと健康に特化した「食プロデュース」を行なう株式会社バードワークス設立。自ら18才から15年以上20kgの体重増減、摂食障害に。苦しいダイエット生活の末辿り着いた、外食、コンビニ、レンチン、OK!ラクして食事を楽しむダイエットを提案する管理栄養士として300以上の施設団体など多方面で活躍中。著書『居酒屋ダイエット』(三笠書房)。趣味はトライアスロン、100kmウルトラマラソン、フルマラソン、全米ヨガアライアンス200習得中。



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