高温多湿の日本の梅雨&夏に。胃腸を整え足の疲れを癒す〈足三里のツボ押し〉【中医学の知恵】
梅雨の時期から湿度が高くなり、梅雨が明けると湿度に加えて気温が上昇し本格的な暑い夏を迎えます。蒸し暑い日本の夏の時期にセルフケアとしておすすめしたいツボをご紹介します。
どこかで見たことあるようなマーク
この図は中医学の根底となる陰陽太極図と言い、すべては陰と陽で成り立ち、二つの要素は対立しながら支え合い影響しあう関係にあることを表しています。白い部分が陽、黒い部分が陰を表し、白い陽の中にある小さな黒い円は「陽の中にある小さな陰」を表し、黒い陰の中にある小さな白い円は「陰の中にある小さな陽」を表し常に影響しあうことが示されています。
この陰陽太極図は一日・一年・生涯を表す図でもあり、人の体も陰と陽に当てはめて考えられます。
からだは「気・血・津液(しんえき)」のバランスが大切
中医学では人体の生命活動を維持する基本物質のエネルギー「気・血・津液(しんえき)」がバランスよく循環している状態が健康体だと考えます。この3つにも陰陽があり、気は陽に属し陽気、血と津液は陰に属し陰液とも呼ばれます。気血が巡り、津液が循環し滞ることのない心身のバランスを保つことが大切です。
気象変化はバランスを崩す原因の一つ
心身のバランスを崩す原因の一つに気象変化(外因)が挙げられますが、自然界の気を六気(風・暑・火・湿・燥・寒)と言います。この六気も陰陽に分けられ風・暑・火は陽に属し、湿・燥・寒は陰に属します。日本の夏は高温多湿のため湿気が溜まりやすくなり、この湿が過剰になり心身に影響を及ぼすことを湿邪といいます。
湿邪とは?
心身に影響を及ぼす湿邪とは、湿気の水は下に流れて重くなる・濁る・粘着するという特徴を持ちます。湿邪は外湿・内湿の2つに分けられます。
「外湿」とは外気の湿気の影響によって及ぼす不調
● 体が重い、だるい
● 関節のだるさ、痛み
● 皮膚のトラブル、ジュクジュクするなど
● 下半身のむくみ
「内湿」とは、 湿気を体内に溜めてしまう不調
● 冷たいもの、生ものの摂りすぎにより胃腸消化器の低下
● 食欲不振、軟便
● 目やに、おりものが多い
湿邪に弱い臓腑
湿気によってダメージを受けやすい臓腑は脾胃で、脾胃とは胃腸消化器のことを示します。胃腸を外からも中からも冷やし過ぎに気をつけて健脾利湿=水はけの良い状態にすることが大切です。
胃を元気にするツボ押しセルフケア
今回は、胃の陽明胃経という胃の専用通路にあるツボ・足三里を押したり、マッサージをしたりするセルフケアをご紹介します。足三里のツボを押すことで胃腸の状態を整えたり、足の疲れを癒す効果が期待できます。
<やり方>
1)膝のお皿の外側から、人差し指小指の4本の指を揃えて当てる
2)スネの骨の外側、小指の辺りが足三里のツボです。この辺りを押したりマッサージしましょう
【参考図書】中医養生ヨガ®テキスト
AUTHOR
竹内結子
ヨガインストラクター 。ホットヨガやスポーツクラブでヨガを体験し、もっと学びを深めたいとの思いから様々な流派のヨガメソッドを経験、さらには指導者資格を取得するに至る。ヨガへの学びを深める中で中医学と出会い、中医学関連の資格も取得。見えない心や感情、身体への理解を求めて東洋、西洋の視点で勉強中。RYT200、ケン・ハラクマのアシュタンガヨガプライマリーシリーズTT、シニアヨガ、中医養生ヨガ®初級中級、中医学女性の体とマタニティ、四季養生ヨガ、JOPHEE中医学骨盤モジュールTT修了。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く