全米で増える「妊活ヨガ」クラス、ストレスと不妊とヨガの関係とは?
ストレスの不妊への影響
しかしながら、ストレスは不妊の確率を上げることで知られており、ヨガはストレスを軽減するのにきわめて効果的である。ハーバードメディカルスクールの研究によると、妊娠に問題を抱える女性は、ガンやHIV/エイズなどの深刻な病気の患者と同程度の不安感や抑鬱感をもっているという。そして妊娠に問題を抱えていない女性であっても、赤ちゃんをもとうとすることは――それは人間のコントロールを究極的に超えた神秘的なプロセスだ――不安を誘発させる経験だととらえている。
ストレスと不妊の間の関係は複雑で、完全には解明されていない。しかし、いわゆるストレスホルモンとして知られるコルチゾールは排卵を妨げる可能性があるとイヴ・ファインベルクは言う。彼女はファーティリティ・センター・オブ・イリノイ(Fertility Centers of Illinois)で不妊治療専門医として働いている。ストレスレベルを低くし、前向きな気分で将来を悲観せずにいられるようになると、不妊治療の成功確率を上げることができる。
ストレスを軽減すること(ヨガやその他の手段で)で受胎能力を上げることができるということのもっとも強力な証拠は、おそらくハーバードメディカルスクールのアリス・ドマー博士(Alice Domar, PhD)による研究に見いだせる。彼女は、マサチューセッツ総合病院のベンソン=ヘンリー・インスティテュート・フォー・マインド・ボディ・メディシン(Benson-Henry Institute for Mind Body Medicine at Massachusetts General Hospital)で行われた、受胎力を上げるためのプログラムを作成した。その後、彼女はドマー・センター・フォー・マインド・ボディ・ヘルス(Domar Center for Mind/Body Health)をオープンさせた。
彼女が開催する10回のセッションに参加した1年間のうちに、不妊治療を受ける患者の55%が妊娠して、赤ちゃんをもつことになったと2000年に判明した。このプログラムでは、ヨガと瞑想が、ほかのリラクセーション法や鍼治療とあわせて導入されている。対照群では、赤ちゃんをもつことになったのは20%にとどまった。
「ヨガは、強い不安感を抱えた患者さんたちに実に高い効果をもたらします。不妊で悩む患者さんは不安に感じている場合が多いのです」とドマールは言う。「こうした患者さんたちのなかには、自分の思うようになってくれない自らの体にたいして怒りを抱えている方も多いです。ヨガはそういった人々に自分の体とのつながりを取り戻させてくれるのです」とドマール。とはいえ、激しいエクササイズは受胎を阻害する可能性もあると彼女は注意を促す。女性たちには、もし妊娠できなくて困っているような場合には、アシュタンガやパワーヨガのような身体的要求の高い形態のヨガは避けるように勧めている。
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