体の硬さ、自覚してる?整形外科医のメディカルチェック~関節の硬さ編~
「体が硬い」という自覚はあっても、どこが硬いのかよくわかっていないことも...。医師の井上留美子先生に、体の硬さをチェックする5項目を教えてもらいました!
体の硬さ、自覚してる?
「硬さといっても、その原因はいろいろあります」と井上先生。たとえば、合せきをしたときに脚が開きにくいのは、「股関節が硬いから」と思いがち。でも実際は、関節が硬い場合も、股関節まわりの筋肉が硬い場合も、または膝の
関節に問題がある場合も。それなのに、ただ股関節のストレッチばかりをしていたら、欲しい効果は得られません。硬さの原因は、自分が思ってもいなかった部位にある可能性もあるのです。「硬さの原因をみるには、2つの大きな軸があります。関節と筋肉です。それぞれを部位別にチェックすることで、硬さの原因とその部位を知る手がかりになります」
今回、井上先生が教えてくれたチェック法は、整形外科のメディカルチェックでも使われているものです。関節の可動域テストと筋肉の硬さテストの中から、セルフチェックがしやすく、ヨガに関係が深いものを先生に選んでいただきました。
「体が硬い」という自覚はあっても、どこが硬いのかよくわかっていないことも。ストレッチの成果が出ていないなら、硬さの原因を見逃しているのかもしれません。まずは硬さの原因を把握しましょう。それが柔らかさを得る近道です。
硬さをチェックする5項目
関節の正常可動域をチェックします。クリアできなかった人、あるいは痛みや左右差を感じた人は、一度整形外科の受診を。
①合せきをしたとき、膝が床から20cm以内だ
合せきのポーズをとったとき、膝の位置が床から20cm以内になるまで開ければOK。ただし、左右の高さが違う場合はゆがみが隠れている可能性も。
②骨盤を立てて90度以上開脚できる
骨盤を立てて開脚をしたとき、片脚だけなら45度、両脚なら90度に開ければ正常可動域はクリア!
③両手を上げて、耳に腕がぴったりつく
手のひら同士が向かい合わせになる位置で両手を上げたとき、耳に腕がつけられればOK。左右差がないかもチェック。
④壁に頭、お尻、かかとをつけて立てる
壁を背にして立ったとき、後頭部、お尻、かかとが壁につけばOK。脊柱の自然なカーブが保たれている。
⑤長座と正座ができる
正座ができれば膝関節の最大屈曲位はクリア。長座になったときに床から膝が浮かず、左右差もなければ最大伸展位も問題なし。
いかがでしたか?硬さの原因を知る手段として部位別チェックはとても有効です。ただし、実際の動きは「関節」だけでなく、筋肉との連動でなりたっていることを忘れずに。最終的には、柔らかい動きができるように、全身の連動性も意識してみましょう。
教えてくれたのは…井上留美子先生
医療法人社団成東会松浦整形外科院長。手の外科、リウマチ、スポーツ医学が専門。クリニックでの治療に加え、ヨガ講師への運動指導も実施。予防医学としてのヨガに着目した「整形外科ヨガ」の講座も開催している。
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