【オーストラリアの最新研究が示唆】植物ベースの食生活を送るといびきが減る?!その理由とは?

 【オーストラリアの最新研究が示唆】植物ベースの食生活を送るといびきが減る?!その理由とは?
Getty Images
山口華恵
山口華恵
2024-03-11

野菜、果物、穀物中心の食生活がいびきを減らすかもしれない。最新のオーストラリアの研究によると、健康的なプラントベースの食事は睡眠時無呼吸症候群のリスクを約5分の1に減少させるという。

広告

睡眠時無呼吸症候群とは?

いびきが大きい。いびきのせいで眠りが中断し、夜中に何度も起きてしまう…。これらは睡眠時無呼吸症候群の人々の典型的症状だ。当然、疲労が蓄積され、高血圧、脳卒中、心臓病、Ⅱ型糖尿病といった病気のリスクが上がってしまう。このようなリスクを日々の生活から下げることができるかもしれない。

野菜や果物などを積極的に食べる人は、睡眠時無呼吸症候群のリスクが低い

欧州呼吸器学会雑誌「ERJ Open Research」に掲載されたオーストラリアの研究によると、野菜、果物、全粒穀物、ナッツを最も摂取している人は、最も摂取量が少ない人に比べて、睡眠時無呼吸症候群のリスクが19%低いという結果が得られた。逆に、プラントベースの食品の摂取が少ない人は、健康的なプラントベースの食事を摂る人と比較して、睡眠時無呼吸症候群のリスクが22%も高いことが明らかになった。

今回の研究は、1万4千人以上のデータを分析したもので、健康的なプラントベースの食事とそうでない食事、このふたつの食事の選択が睡眠に与える影響についてフォーカスした。(ここでの健康的なプラントベースの食事とは、野菜、果物、全粒穀物、ナッツを豊富に取り入れ、糖分の多い飲み物、高糖分および高塩分の食品を避けることを意味する。)研究者はまた、男女でリスクに違いがあり、特に男性においてプラントベースの食事が睡眠時無呼吸症候群のリスクを低減させる効果が大きいことも発見した。プラントベースの食生活は、睡眠時無呼吸症候群のリスクを減少させ、いびきを軽減する可能性があることが示唆された。

画像
Getty Images

プラントベースの食事は抗酸化・抗炎作用に優れている

今回の研究に関与していないが、睡眠科学者で睡眠アプリ「SleepSpace」の創設者兼CEOのダン・ガーテンバーグ博士は、この結果に完全には同意しないという。彼は、「今回の結果は、これまでに分かっているプラントベースの食事の健康効果と一致するものだが、健康的な肉中心の食事がプラントベース食事よりも劣るかどうかはわからない」と指摘する。

ガーテンバーグ博士は、「プラントベースの食事は栄養素、抗酸化物質、抗炎症化合物が豊富で、炎症を減少させ、損傷を引き起こすフリーラジカルを中和し、最終的に体内の酸化ストレスを減らすのに役立つ。一方で、植物性中心でも、高糖度・高塩分の食品が多い食事を摂っていれば、炎症を引き起こす可能性があり、睡眠中の気道閉塞のリスクを高め、いびきや呼吸の困難を悪化させるかもしれない」と説明する。プラントベースの食事であっても、糖分や塩分の多い食生活では意味がない。何れにしても、より健康な選択がいびきにもポジティブな影響を与えることは確かだ。

画像
Getty Images

出典:
Eating a Plant-Based Diet May Help Reduce Snoring

Eating a plant based diet could reduce snoring, study finds

Plant-based diet linked to cutting sleep apnoea risk by a fifth, research shows

広告

AUTHOR

山口華恵

山口華恵

翻訳者・ライター。大学卒業後、製薬会社やPR代理店勤務を経て10年間海外(ベルギー・ドイツ・アメリカ)で暮らす。現在は翻訳(仏英日)、ライフスタイルや海外セレブリティに関する記事を執筆するなど、フリーランスとして活動。趣味はヨガとインテリア。



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

画像
画像