感染症流行シーズンの「こまめな水分補給」の必要性とは?「水分量の目安」と合わせて医師が解説
夏と比べて見落としがちな冬の水分補給。感染症が流行しやすい時期だからこそ、その必要性と水分量の目安について、イシハラクリニック副院長の石原 新菜先生にお聞きしました。
推奨される1日当たりの摂取水分量は 1.2L!
サーモス株式会社が20代〜50代の男女481名を対象に実施した「冬の時期(12月〜2月)の1日に摂取する水分量」の調査によると、全体の69%が1.0L以下という結果に。厚生労働省が推奨する1日当たりの水分摂取量(飲み水)1.2Lを摂取できていないことが分かります(※1)。気温が高くなり熱中症の危険がある夏だけに水分補給に対する意識が向きますが、実は夏と同様、冬も水分を意識的に摂取した方が良いと言えるでしょう。
(※1):厚生労働省「健康のため水を飲もう」より、体重60kg の場合、1日に推奨される飲み水からの水分摂取量は1.2L。
冬は、外気の乾燥によってウイルスを追い出しづらい身体になりやすい
感染症が流行する冬は、外気が乾燥することで、気道の粘膜が乾燥し、線毛の働きが弱くなり、ウイルスを体外に追い出すことができなくなります。さらに乾燥により体内の水分が減ることで、血流が悪くなり、免疫細胞の循環が滞り、ウイルスを撃退しづらくなります。よって冬の感染症対策の1つとして、水分の摂取量を意識することは非常に重要です。
感染症流行シーズンは、こまめな温かい飲み物の補給が大切
乾燥しやすい冬は、こまめに水分補給をすることで、体内の水分量を保ち、喉を常に潤すことが大切です。加えて身体を温めることも大事です。年々「冷え性」の人は増加しており、若年層の男性に「冷え性」が多いことも分かっています(※2)。今回の調査で、若年層(20・30代)の中で、"白湯"を飲むことが習慣化している割合が、女性と比較して男性の方が多く、若年層ほど白湯を飲んでいる男性が多いのは、男性の「冷え性」が増えていることが関係しているかもしれません。「冷え性」と自覚している人は、冬の感染症流行シーズンには水分補給を一層意識するのと、温かい飲みものを飲み身体を温めることが大切です。
(※2):2023年10月サーモス株式会社実施 「冷え・冷え性に関する調査」
教えてくれたのは…石原 新菜先生
イシハラクリニック副院長、ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ講師。1980年 長崎市生まれ。幼少期をスイスで過ごし、帰国後は伊豆の緑豊かな環境に育つ。現在は父の経営するクリニックで漢方薬処方を中心とする診療を行うかたわら、テレビ・ラジオへの出演や、執筆、講演活動なども積極的に行い、「腹巻」や「生姜」などによる美容と健康増進の効果を広めることに尽力している。2児の母。
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ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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