体に良さそうなものも…実は病み上がりに食べないほうがいい、意外な食べ物3つ|管理栄養士が解説
感染症にかかりやすくなったり、年末年始の忙しさから疲れがたまったりと、冬は体調を崩しやすい季節です。病み上がりには胃腸にやさしいものを食べて、体の回復を促しましょう。この記事では、病気から回復したばかりのときに避けたい食べ物を、管理栄養士が紹介します。「食べると元気になりそう」と思われがちなものもあるので、病み上がりの食事の参考にしてくださいね。
1.消化に時間がかかる食べ物
病み上がりのときは、体調の回復にエネルギーが使われて、体は疲れ切っています。そのため、胃腸に負担をかけるような食事は避けましょう。
胃腸に負担がかかる食べ物は、以下のとおりです。
・脂質が多いもの
・食物繊維が多いもの
脂質が多い食べ物は消化に時間がかかるため、胃腸を疲れさせてしまいます。から揚げやフライ、天ぷらなどの油で揚げた料理のほかに、バラ肉やロース肉、ベーコンのような脂身が多い肉類も病み上がりにはおすすめしません。肉を食べるとスタミナが付きそうですが、体調が完全に回復してからにしましょう。
病み上がりに肉を食べるなら、脂質が少ない鶏むね肉がおすすめです。エネルギー補給は脂質ではなく、おかゆやうどんに含まれる糖質を利用しましょう。
食物繊維が多い食べ物も、消化に時間がかかります。しかし食物繊維が豊富な野菜は、体に必要なビタミンやミネラルも多く含んでいます。まったく摂らないのではなく、小さく切ったりよく煮込んでやわらかくしたりして、消化しやすく調理するとよいでしょう。ポタージュのようなスープにするのもおすすめです。
2.胃酸の分泌をうながす食べ物
病み上がりは、胃腸の機能が十分ではありません。胃の粘膜も弱っているため、胃酸の分泌を促進する食べ物を摂ると胃を傷つけるおそれがあります。
胃酸の分泌を促進するのは、以下のような食べ物です。
・塩辛いもの
・甘みが強いもの
・酸味が強いもの
・刺激が強い香辛料
漬物や塩辛のような塩気が強いもの、あんこやチョコレートなどの甘みが強いもの、梅干しやお酢を使った料理のような酸味のあるものは胃酸の分泌をうながします。みかんなどの柑橘類に含まれるビタミンCには、免疫力を高める作用が期待できます。しかし酸味があるため、病み上がりにはあまりたくさん食べないようにしましょう。
唐辛子やカレー粉には体を温めて発汗を促進する作用があり、病気に効くように感じるかもしれませんね。しかし刺激が強い香辛料は、胃酸の分泌をうながすことから、病み上がりにはおすすめできません。こしょうやわさび、からしも避けましょう。
しょうがにも、血行を促進して体を温める作用があります。唐辛子ほどではありませんが、やはり刺激が強いため、大量に摂取するのは控えましょう。繊維質な食品でもあるので、消化の際に胃腸へ負担をかけてしまうことも心配です。病み上がりの食事にしょうがを利用したいときは、すりおろしたり、搾り汁を利用したりするとよいでしょう。
3.熱すぎる、冷たすぎる食べ物
体が温まると血流がよくなります。酸素や栄養素が体の隅々まで行き届き、免疫力の向上や、疲労回復効果が期待できるでしょう。しかし、体を温めるつもりで病み上がりに熱すぎる食べ物を摂るのは、胃腸に負担をかけるため避けてください。
反対に冷たすぎる食べ物を摂ると、体が冷えて血行が悪くなってしまいます。消化機能が低下して、下痢を引き起こすおそれもあります。食べ物は、無理なく口に入れられる程度の適温にしてから食べるようにしてください。
病み上がりのときは体をいたわる食べ物を選び、しっかり元気を取り戻してから、おいしい食べ物を存分に味わいましょう!
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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