【Z世代が考える「性の健康」】わたしが「性」について発信するようになった理由

 【Z世代が考える「性の健康」】わたしが「性」について発信するようになった理由
セクシャルウェルネス座談会/canva
竹田歩未
竹田歩未
2024-01-08

性に関する健康を意味する「セクシャルウェルネス」。最近では、フェムテック、セルフプレジャーという単語とともにメディア上で取り上げられる機会が増えています。今回は、セクシャルウェルネス関連の活動に熱心なZ世代(1990年代半ばから2010年代序盤に生まれた世代)4名にご参加いただき、情報感度の高い彼女たちに性に関するさまざまな情報や発信者ならではの悩みを語っていただきました!

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セクシャルウェルネスとの出会い

---------最初に、自己紹介をお願いします。 

とぅるもちさん:ラブライフカウンセラー®として、様々な方の性生活のお悩みに寄り添う活動をしています。 他にはセクシャルウェルネスについて認知を広げるためのサービスを運営しています。試行錯誤しながら活動中です。

馬場早希さん:2020年に株式会社BONHEUR(ボヌール)を立ち上げ、昨年3月まで代表を務めておりました。今は瀬戸内海の博多島に移住し、瀬戸内発のブランドとして年内にプロダクトの発売を予定しています。ちなみに、株式会社BONHEURでは、今回の座談会に参加されているKyokoさんに会社を手伝ってもらいました。

kyokoさん:現在大学生です。エシカルやサステナブルに興味があり、デザインの優れたコンドームやルブリカントなどのセクシャルウェルネスに関する製品を収集してInstagramで発信をしています。また、不定期にポップアップの開催も行っています。

akiさん:クラウドファンディングを経て、コンドームケース「Cosmos」を発売し、性教育講師として学校で性教育を伝えてきました。現在は株式会社フューチャーセッションズに就職し、複雑な社会課題や組織の問題を対話を通じた共創によってありたい未来を創るよう、ファシリテーターとして勤めています。本日はみなさんとお話できて嬉しいです。

---------みなさんは何がきっかけでセクシャルウェルネスに興味を持ちましたか? 

Kyokoさん:まずわたしが通っている大学は海外留学生や帰国子女の割合が高く、日本以外で性教育を受けた、もしくは海外メディアの影響を受けている人が多いです。わたしがまだ発信活動をしていなかった大学1年生の時、学校のラウンジでコンドームを開けてる人を目撃したり、日本語の「性行為」を英語では異なる呼び方をすることを耳にしたり、衝撃を受ける瞬間が多々ありました。

その後、コロナ禍で家にこもる時間が増えたことで、生理用品って何種類も使う必要があるんだろうかという疑問が浮かんできたんです。そこで、そもそも生理自体を止めてもいいんじゃないか、という考えから低用量ピルやミレーナ(注釈1:子宮内に装着する避妊具。)を使うようになりました。

現在はミレーナについても発信しており、友人から低用量ピルやミレーナについて相談を受けたり、webメディアで取材していただける機会もあります。そこで気づいたのは、ミレーナの使用について周りに経験者が少なく、親にも相談しづらいという声が多いこと。そもそも情報自体が少ない上、医療ケアなのにタブー視されている現状があります。医療でもあり、福祉でもあり、つまりは普段の生活の延長線上にあるわけなのに、どうして話せないんだろうと疑問を感じていました。

また、過去に早希さんの会社(株式会社BONHEUR)でお手伝いさせていただいていた時期には、新しいルブリカント(注釈2:潤滑剤。ここではデリケートゾーンに使用するものを指す。)を見つけては外国の友達にお願いして手に入れていました。そこでさらにルブリカントについて深く知ることができたんです。ちなみに、わたしがセクシャルウェルネスという単語を知ったのは、早希さんの会社に入ってからでした。

ミレーナ
ミレーナ/AdobeStock

---------Kyokoさんはセクシャルウェルネスという言葉にまだ出会っていない頃から、性に関する悩みや違和感があったのでしょうか?

Kyokoさん:ありました。元々わたしは経血量がかなり多く、病院で医師の方から驚かれる程でした。そしてその時に「他人の体ってわからないものだからね」と言われて。確かに、身体の感覚も行為もセクシャリティーの感じ方も、本人しか体験できない。その上で、医師の診断を受けてからは第三者の意見も必要だと感じるようになりました。

---------女性同士でも、生理の大変さを分かり合うのは難しいですよね。

馬場早希さん:わたしにとってのセクシャルウェルネスとは、一人の人間として生きる上で当たり前に興味を持つ対象でした。何か衝撃的な体験があったわけではなく、大人になっていく過程で刺激の強い画像や映像に触れた時にショックを受けたのが1番大きかったのかもしれません。そういったものと自分の実生活とのギャップがあまりにも大きかった。今では、そこをフラットにするために必要な言葉やデザインを考えています。プロダクトに関して言えば、日常生活の中で当たり前に使える、よりボーダーレスな存在にしていきたいです。

akiさん:わたしは、小学校の時に身近な知人が子宮の病気で子宮を摘出したことがあって。その出来事に影響を受けて、小学校6年生の頃から産婦人科に定期的に通って検査をしています。生理が始まる前から、産婦人科の検査用の独特な椅子を経験していたので、自分の性器に関心を持ちましたし、「この異様な空間は大人の女性なら誰もが経験するのだろうか。」などの疑問も生まれました。そういった背景があって性について興味を持ち始めた記憶があります。

---------身近な人の体験はやっぱり印象に残りやすいですよね。

 akiさん:そうですね。関心を持つきっかけという意味で、身近に困った経験がある人や一緒に話せる人がいるのは大きいですよね。

生理痛
AdobeStock
 
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竹田歩未

竹田歩未

ライター/中国語翻訳。大学在学中に場所や時間に縛られない働き方に興味を持つ。卒業後の2022年〜ライターとして活動しながら念願の台湾留学を実現。Instagram「フェムテクラブ|フェムテック・フェムケアグッズ」を運営。SNS:Ayumi Takeda @ayumin_tkd フェムテクラブ @femteclub



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