巻き肩やカメ首の人が鍛えるべきインナーマッスル「腸腰筋」に効かせる仰向けトレーニング

 巻き肩やカメ首の人が鍛えるべきインナーマッスル「腸腰筋」に効かせる仰向けトレーニング
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伊藤香奈
伊藤香奈
2023-12-17

座っていると背中が丸くなっている、巻き肩、首が前に出ているなどの姿勢の崩れ。崩れている積み木を土台から整えていくように、姿勢の崩れも土台である骨盤から立てていくと、結果的につながっている背中や肩、首の位置も整いやすくなります。

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美姿勢のために鍛えたい腸腰筋とは?

骨盤を立てるために大切なのが、腸腰筋というインナーマッスル。腸腰筋は、腸骨筋と大腰筋という2つの筋肉を合わせた呼び名ですが、実は微妙に働きが違います。まずは腸腰筋について知っていきましょう!

腸骨筋
「腸骨筋」は骨盤の内側から始まり、太ももの骨の内側につながっている筋肉。階段を昇る時に太ももを持ち上げるような動きで働きます。また、脚を固定した状態、例えば仰向けから体を起こすような腹筋運動では、上半身を起こす時にも使われます。

大腰筋
「大腰筋」は背骨の内側から、腸などの内臓の下を通り、体の前側に出て、腸骨筋と同じく太ももの骨の内側につながっている筋肉です。腸骨筋のように骨盤には付着していません。大股で歩く時に、脚を後ろから大きく前に踏み出す動きなど、太ももの骨を前方に大きく引き上げる動きを行います。

この筋肉を使って骨盤を立てることで、美しい姿勢がキープしやすくなるだけでなく、階段を昇る、歩く、走るといった日常の動きも楽に行えるようになります。

腸腰筋のイラスト
イラストAC

腸腰筋が鍛えづらい理由

腸腰筋は、骨盤を整えていくのにとても大切な筋肉ですが、体の奥にあるため意識しづらく、鍛えづらいという特徴があります。

股関節を曲げるという動きでは、腸腰筋が主導筋と呼ばれるメインで働く筋肉ですが、アウターマッスルである大腿直筋や縫工筋等も補助的に働きます。インナーマッスルである腸腰筋がうまく使えなかったり、筋力が弱ることで、意識しやすいアウターマッスルが強く働いてしまうということが良くあります。その結果、アウターマッスルの方がパワーが強いため、あたかも「強いやつに任せておこう!」というように、どんどんとアウターマッスルに頼る癖がつき、インナーマッスルが衰えてしまうという負の連鎖が起きてしまうのです。

大腿直筋や縫工筋は、骨盤を前に引っ張る働きがあるため、この筋肉が強く働くと反り腰等の姿勢の崩れにつながります。アウターマッスルを使わず、意識しづらいインナーマッスルを意識して使っていくことが、美姿勢キープにとても重要なのです。

股関節屈曲
イラストAC

腸腰筋を鍛えていこう!

1.仰向けになり足の裏を合わせて、ひし形をつくる

2.両手を腰骨のあたりに添える(骨盤の内側あたり)

3.右側から、手を置いた位置を上に持ち上げる、下ろすを繰り返す (数センチしか動きません)

4.左側も同様に、20~30回繰り返す

5.最後に、左右同時に、腰骨の内側を天井方向に持ち上げるように動かす

腸腰筋エクササイズ
腰の骨に手を置き、その手を持ち上げるように骨盤の内側の筋肉を動かす
photo by KANA ITO

骨盤を前傾・後傾させる動きとは意識するところが違います。インナーマッスルの腸腰筋が動いてくると、手を置いているところがモリっとして、筋肉が動いているのを掌で感じることができるようになります。お尻に力が入りやすいので、お尻側は力を抜き、骨盤の内側に集中しましょう。

▼ 詳しい動きを動画で確認したい方は、こちらからどうぞ ▼

 

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伊藤香奈

伊藤香奈

股関節ヨガインストラクター。会社員歴20年の長年の座り仕事&長時間通勤で、股関節と腰の痛みに悩まされる。解剖学とヨガ・ストレッチ・筋膜リリース・骨格調整などを学び自らの痛みを克服した経験をもとに、オリジナルメソッド「股関節ヨガ」を考案。「立つ・歩く・家事をする・仕事をする」といった日常の動きが楽になるほか、股関節が整うことで、美脚・美尻・むくみ解消・ボディメイクの効果や便秘解消といった女性に嬉しい効果もあると人気が広まっている。



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