【意外】水泳には筋トレは効果なし?!理学療法士が解説「プールでの筋トレ法」3選
水泳は全身運動なので、全身の筋肉をバランスよく鍛えることができるいうことは聞いたことがあると思います。でも水泳で「筋トレ」するという考え自体に実は矛盾があります。その理由と、プールでの本当の筋トレ法を理学療法士の堀川ゆきさんがお話してくれました。
水泳で筋トレできるか
水泳は全身運動なので、全身の筋肉を上半身下半身ともに、そして左右対称にバランスよく鍛えることができるいうことは、皆さん聞いたことがあると思います。水泳選手の身体は本当に美しく筋肉がついていますよね。水の抵抗(水圧)の中で身体を動かすため、地上でのトレーニングよりも負荷が上がるので、地上よりも水中の方が筋トレ効果が期待できるとも考えられます。さらに付け加えるなら、泳ぎ方によって使う筋肉が異なるので、クロールと平泳ぎのようにパターンの違う泳ぎ方を組み合わせた方がより効果がありそうです。
でも、水泳はいかに水の抵抗を少なくして効率よく早く泳ぐかが醍醐味です。ということは、水の抵抗を最小限にして泳ごうとする水泳が筋トレになるということ自体、そもそも矛盾がありますよね。水泳が上達すればするほど、水圧を受けなくなるので、筋トレの効果は下がるとも言えます。
プールでの筋トレ法
水泳は、ウォーキングやランニングのような有酸素運動に含まれます。運動は、有酸素運動と筋トレとを組み合わせた方が効果的です。水泳で有酸素運動をするとして、ではプール内でもし筋トレもあわせてやりたい場合どのような方法があるのでしょうか?ここでは3つ紹介します。
①プール内でかけっこする
腕を大きく振りながら、水中で全速力で走ります。もちろん浮力と水圧があるため地上よりも早く走れるはずがありませんが、この水中での抵抗力が全身の筋トレになります。
②プール内で大股で歩く
腕を大きく振りながら、水中で膝をおへその高さくらいまで高く上げつつ一歩一歩大股で歩きます。腹筋や腸腰筋や大臀筋にまでしっかり効いてくるはずです。
③プール内で後ろ歩きをする
腕を大きく振りながら、水中でできるだけ大股で後ろ向きに歩きます。後ろ歩きは前傾姿勢や猫背になりにくく、背面の抗重力筋が鍛えられ姿勢が良くなるはずです。ジムでのトレッドミルでは安全のため後ろ歩きを禁止している場合がありますが、水中なら転倒のリスクなども避けられるので地上よりオススメです。
まとめ
プール内での筋トレ方法を3つ紹介しました。水泳で有酸素運動も行いつつ、プール内でこの筋トレも合わせてできると効率的ですよね。腕を大きく振ることで、下半身だけでなく上半身にも効かせられます。もしお友達が一緒なら、水中で鬼ごっこで鬼の交代ごとに ①②③のパターンを変えつつ遊びながら筋トレしてみるのもアリです。また、プール内では関節にかかる負担も軽減されるので、怪我などでリハビリ中の人、高齢者や、膝や腰に痛みを抱えている人にも推奨されています。プールがもっと身近なものとなり、有意義なプールタイムが過ごせますように。
参考:石井直方「石井直方の筋肉まるわかり大事典」ベースボール・マガジン社,2008
AUTHOR
堀川ゆき
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。
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