【病気にならないための知恵】ショウガで体質改善!バリ島の伝統的な温活習慣とは?
「いつもなんとなく体調が悪い」「冷え性でだるい」「1日をもっとエネルギッシュに過ごせたら…」そんな悩みを持っている方に是非おすすめしたいのが、日常的にショウガを摂る生活です。インドネシア・バリ島のウブドでは、古くから「病気にならないための知恵」としてショウガを摂る文化があります。地名のウブドは「薬」の意味。日本の家庭でも美味しくショウガを取り入れられるレシピをご紹介します。
バリ島で愛されているドリンク「ウェダン」は、ジャワやバリの伝統的なホットドリンクで、レシピはさまざまですがショウガがよく使われます。地元の人々は、朝や肌寒い雨季に体を温めるため、このドリンクを飲む習慣があります。
星のやバリの「モーニングウェダン」は、朝の体を目覚めさせ、温めるためにショウガをメインに使います。さらに、ミルク、タマリンド、ライム、ハチミツ、レモングラス、クローブなど、それぞれの効能を持つ食材と混ぜて、多彩な味わいを楽しみます。
薬効あらたか。バリの人々の健康を支える「ウェダン」の食材と本場の使用法
ショウガ
ショウガは、吐き気や嘔吐、めまい、生理痛、関節痛、つわり予防などの症状に効果的とされています。また、ダイエットや乗り物酔い、船酔いの予防にも利用されています。そのため、インドネシアでは手軽に携帯できる地元の人が作ったショウガ飴がよく売られています。
タマリンド
タマリンドは、古くからインドネシアの薬として便秘、肝臓、胃の不調、胆嚢の治療に使われています。風邪や熱の治療に使うこともあります。また、地元の女性はつわりを和らげるために、ぬるま湯に混ぜて飲むことも。
ライム
インドネシアでは体に良い食材としてよく使われます。肌を美しく保ち、胃の中の毒素を浄化して免疫力を高め、腎臓結石を予防しながら心臓病の危険因子を減らすと信じられています。
ハチミツ
バリ島では、森の蜂蜜を収穫して食べるのが一般的。ハチミツは天然の便秘薬として使われます。また、新陳代謝を高め、インフルエンザ、アレルギー、発熱、風邪、喉の痛みに役立つと信じられています。純粋なハチミツは、肌の美しさを保ち、傷の治癒を促進する抗炎症作用があるとされています。(インドネシアの一部の地域では、ニキビを減らしたり、傷を治療するために蜂蜜を使っています)
レモングラス
レモングラスを入れたウェダンは、生理痛の緩和、痛みや腫れの緩和、解熱の効果があるとされ、主に女性に飲まれています。爽やかな香りにはヒーリング効果も。
クローブ
クローブは伝統的な飲み物によく使われます。 ウェダンにクローブを加えると、リラックス効果のある心地よい香りが広がります。また、生理痛を軽減し、消化を良くし、免疫力を高めるといわれています。インドネシアの地域によっては、クローブは感染症を遠ざけ、炎症を抑えると信じられています。
作り方はシンプル。習慣にしたい「ウェダン」のレシピをご紹介
身体を温めるウェダン。ショウガやハチミツ、スパイスを常備して、是非お試しください。
<ミルク入りウェダン>
1 ショウガとレモングラスを石臼でつぶす(または包丁でざっくりとカット)する
2 水を適量入れ、1を加えて沸騰させる
3 2分ほど煮たら火を止め、ハチミツとミルク、タマリンドを加えて完成
<ミルクなしウェダン>
お湯にショウガ、ハチミツ、ライムを加えて完成。
温かいうちにお召し上がりください。
<スパイシーウェダン>
ミルク入りウェダンにクローブを加えて頂く。豊かに広がる香りにリラックス効果も。
「朝の一杯」をコーヒーからウェダンに変えたら体調も機嫌も上々に!
モーニングヨガの前や後に摂る水分として、冷たい水やコーヒーを選ぶ習慣がある方は、試しに「モーニングウェダン」に置き換えてみてはいかがでしょうか。
ウェダンを飲むと、ショウガの成分により体がポカポカと温まり、体のスイッチが入る感覚があります。また、「第二の脳」と呼ばれる腸の調子を整えるので、気持ちを穏やかに保つこともできます。朝に行うヨガとウェダン、とてもヘルシーな組み合わせです。
ちなみに、インドネシアでは美味しく香ばしいコーヒーもポピュラーですが、朝はウェダンを飲むのが一般的なのだとか。コーヒーを飲むのは食事の後が多いそうです。
さらにパワーアップしたいときには「STMJ」で疲労回復
インドネシアには「STMJ」と呼ばれるウェダンがあります。(Susu・ Telor・ Madu・Jahe:牛乳、生卵、蜂蜜、生姜)の略で、インドネシアで有名な伝統的なウェダンの一つ。ウェダンに生卵を落として飲むもので、ミルクセーキのようなドリンク。地元では、出勤前の男性がグイっと飲んでいく姿も見かけます。STMJは、体のエネルギーを活性化させるウェダンです。
AUTHOR
栗尾モカ
記者・漫画家。新卒で航空会社に就職。退社後、出版社に入り多くの企画に携わる。「ダ・ヴィンチ」で漫画家デビュー後、朝日新聞の社会見学連載、「TVタックル」モバイルサイトインタビュー、女性誌「STORY」の海外・美容取材など数多くの連載を担当。女性のウェルネスをテーマにしたコミックエッセイは、取材の経験がニュースソースになっている。シンガポールのメディアに再就職した際、締切と子育てに追われる中でインド・バンガロールにあるヨガ研究大学(Swami Vivekananda Yoga Anusandhana Samsthana / S-VYASA)により考案されたヨガインストラクター認定プログラムに出逢い、資格を取得。伝統的なヨガ哲学や、心身を癒すメソッドを学び始める。著書に「サロン・ド・勝負」「おしゃれレスキュー帳」(KADOKAWA)「女のネタ帖」(学研)などがある。
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