急に歯茎が腫れた、口の中が乾く…医師に聞く、更年期のデンタルケア | 栗尾モカの更年期大学#13

 急に歯茎が腫れた、口の中が乾く…医師に聞く、更年期のデンタルケア | 栗尾モカの更年期大学#13
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栗尾モカ
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2023-04-28

特に虫歯もなく痛みもなかったのに、突如歯茎が腫れて痛み出す。しかも口の中が乾いて口の様子がなんだかおかしい……。その原因が更年期だとしたら⁉更年期世代の︎正しいデンタルケアを医師に伺いました。

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お話を伺ったのは…Dr. Justin Giam(Dental Design Clinic Singapore)

ジャスティン

メルボルン大学歯学部卒業。オーストラリア・メルボルンで勤務した後シンガポールに戻り、ラッフルズプレイスにある著名な歯科医院に勤務。オーストラリア歯科医師会(AHPRA)およびシンガポール歯科医師会の両方に登録しており、国際的な歯科講演家としてシンガポールや海外での講演も多数。

更年期と歯周病、そしてドライマウス。その関係は?

ーー今まで何も問題のある症状がなかったのにもかかわらず、突然歯茎が腫れる場合は、更年期や加齢が関係しているのでしょうか?

Dr.Justin:更年期が口腔内の健康に影響を与えることは事実です。更年期のホルモンの変化は、免疫力の低下を招き、口腔内環境に影響を及ぼす可能性があります。更年期の女性は、歯周病やドライマウスなどの口腔内の問題にかかりやすいことが研究で明らかになっています。 

ーー更年期と口腔内の健康は関係がなさそうですが、更年期によるホルモンの変化は歯周病を引き起こしやすくしてしまうのですね。予防をするためにはどうすれば良いでしょうか? 

Dr.Justin:歯周病を予防するためには、定期的な歯磨きやフロス、消毒効果のある洗口液の使用など、口腔内の衛生状態を良好に保つことが重要です。私たちは、半年に一度、歯科医院を訪れて検診とクリーニングを行うことをお勧めしていますが、以前から歯周病がある場合や、その他の症状がある場合は、より頻繁な受診が必要な場合があります。医師の診察を受け、相談をして頂くことをおすすめします。 

ーー歯周病の最新治療にはどういった施術がありますか?

Dr.Justin:歯周病の最新治療には、歯肉の下のプラークや歯石を取り除くスケーリング※とルートプレーニング※があります。より進行した場合には、フラップ手術※や骨移植などの外科的治療が必要になることもあります。

●スケーリング
…歯に付着しているプラーク(歯垢)と歯石を専用の器具で除去すること。 歯科医院で定期的に除去することが望ましい。  歯石は、下あごの前歯の裏と上奥歯の頬側につきやすいといわれています。

●ルートプレーニング
…汚染された歯根(ルート)の表面を器具を使って削り取り、滑らかに(プレーニング)する治療のこと。 歯石除去のスケーリングの後に続けて行われる施術。 歯石除去した後の歯の表面はざらついているので、そのままだと歯石が再度つきやすい状態になるため、滑らかに研磨する作業。 

●フラップ手術
…進行した歯周病に対する治療方法の一つで、深い歯周ポケット内の歯石を除去し、歯ぐきと歯を支える周りの骨を、健康な状態にする手術。 

ーー歯周病は進行すると大変ですね。予防のための毎日のブラッシングで気をつけることはありますか? 

Dr.Justin:更年期から高齢者の方の歯磨きに関しては、柔らかい毛の歯ブラシとフッ素入り歯磨き粉を使うことが重要です。円を描くように優しく2分以上磨き、歯茎の境目を含む歯の全表面をきれいにすることを心がけましょう。関節炎や手先が不自由な方は、電動歯ブラシを使用するとよいでしょう。

ーーところで、口の中が乾く、いわゆるドライマウスも加齢と関係しているのでしょうか?

Dr.Justin:年齢を重ねるにつれて、口腔内の環境に変化が起こることがあります。高齢者はドライマウスになりやすく、虫歯や歯周病のリスクを高める可能性があります。水分補給をすることが重要で、必要に応じて唾液の代用品やマウススプレーの使用も検討するとよいでしょう。高齢者の方は、服用している薬にも気を配る必要があります。中には口腔内で副作用を引き起こす可能性がある薬もあるからです。 

【更年期大学今回の学び】いつものケアに"丁寧さ"をちょい足し

くま

ホルモンバランスが口内環境に影響することから、歯周病やドライマウスを引き起こしやすくなる……初耳だった方も少なくないのではないでしょうか。ドライマウスは違和感があるだけではなく口内のばい菌が繁殖しやすくなるので、より丁寧なデンタルケアが必要になってきます。ブラッシングのあとのフロスと洗口液を使ったうがいを習慣にするのが大切ですね。また、水分の補給も忘れずに。ちょっとした習慣をプラスするだけで、口内環境を快適に保つことができるとのこと。是非参考にしてみてください。

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栗尾モカ

栗尾モカ

記者・漫画家。新卒で航空会社に就職。退社後、出版社に入り多くの企画に携わる。「ダ・ヴィンチ」で漫画家デビュー後、朝日新聞の社会見学連載、「TVタックル」モバイルサイトインタビュー、女性誌「STORY」の海外・美容取材など数多くの連載を担当。女性のウェルネスをテーマにしたコミックエッセイは、取材の経験がニュースソースになっている。シンガポールのメディアに再就職した際、締切と子育てに追われる中でインド・バンガロールにあるヨガ研究大学(Swami Vivekananda Yoga Anusandhana Samsthana / S-VYASA)により考案されたヨガインストラクター認定プログラムに出逢い、資格を取得。伝統的なヨガ哲学や、心身を癒すメソッドを学び始める。著書に「サロン・ド・勝負」「おしゃれレスキュー帳」(KADOKAWA)「女のネタ帖」(学研)などがある。



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