5月は燃え尽き症候群に注意|なりやすい人の特徴や対処法を臨床心理士が解説
4月に慣れない環境の中で頑張った分の疲れが、5月になって【燃え尽き症候群】という形で現われることも。燃え尽き症候群になりやすい人の特徴や、ならないための対処法を心の専門家である臨床心理士が解説します。
燃え尽き症候群とは?
燃え尽き症候群について、厚生労働省の健康用語辞典では『それまでひとつの物事に没頭していた人が、心身の極度の疲労により燃え尽きたように意欲を失い、社会に適応できなくなること』と定義されています。アメリカでは『バーンアウトシンドローム』と呼ばれており、1970年代にアメリカの精神心理学者・ハーバード・フロイデンバーガーが提唱しました。もともとは、医療や福祉・教師などの対人援助職と呼ばれる仕事に従事する人に多いとされてきましたが、現在ではさまざまな職種・業種に見られるようになりました。また、燃え尽き症候群はこれまでは医学用語ではありませんでしたが、病気の診断を世界的に統一するために使われる国際疾病分類「ICD」の最新版(ICD-11)にて、燃え尽き症候群が初めて掲載されました。精神疾患ではありませんが、誰にでも起こりうる不調として意識していきたいものです。
燃え尽き症候群の3つの症状と兆候
情緒的消耗感
やる気や熱意が消耗しきっている状態。これまでやりがいや楽しさを感じていたことに対してやる気のなさやつまらなさを感じてしまう。
脱人格化
それまでの人柄とは違う、相手に対して非人間的で思いやりのない態度や攻撃的な態度をしてしまう。
個人的達成感の低下
仕事などで自分の能力を発揮することができないことにより、自分に対する自信や達成感が低下する。
この3つの症状以外にも、以下のような様子が見られたら、燃え尽き症候群の兆候として注意する必要があります。
《燃え尽き症候群の兆候》
□イライラする回数が増えた
□仕事や目標が常に頭の中から離れない
□ストレスが身体の症状として現れ始める
□遅刻や欠勤が増えた
□見なりに気を使うのがしんどくなってきた
□急なやる気の低下
AUTHOR
南 舞
公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。
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