更年期にはうつの発症リスクが14倍に?更年期に起こりやすいメンタル疾患と更年期うつを防ぐ食事とは

 更年期にはうつの発症リスクが14倍に?更年期に起こりやすいメンタル疾患と更年期うつを防ぐ食事とは
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豊田早苗
豊田早苗
2023-04-25

50歳前後10年間を更年期といい、女性だけではなく、男性にも更年期はありますが、この記事では、女性の更年期について、更年期には罹りやすい心の病気、更年期を上手く乗り越えるための方法について説明していきます。

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更年期は、うつ病に14倍なりやすい

更年期に入ると、顔のほてり(ホットフラッシュ)や動悸、めまい等の体の不調やイライラしやすい、眠れない等のメンタル面の不調が起こりやすくなります。

そして、こうした更年期に起こる様々な心身の不調は、更年期障害として片付けられてしまうことが多いですが、中には、更年期障害ではなく病気の1症状である場合もあり注意が必要です。

特に、うつ病。

更年期には14倍発症リスクが上がると言われています。

なぜ、更年期に、うつ病になりやすいのか?

それは、エストロゲンの減少により脳内神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリン、セロトニン等の分泌が悪くなることに加えて、更年期に起こる体の不調(顔のほてりや頭痛、めまい、肩こりや動悸など)がストレスとなり、うつ病を発症してしまいます。

気分の落ち込みや意欲の低下、夜眠れない、物事を悲観的に捉えてしまう等の症状が毎日、2週間以上続く場合は、更年期障害としてのメンタル不調ではなく、うつ病である可能性がありますので、病院で相談してみましょう。

植物性エストロゲンを摂取して更年期を乗り越えよう!

更年期に様々な心身の症状が出るのは、脳からエストロゲンを分泌するよう指示が出ても、分泌できずに混乱するからです。

ですので、エストロゲンを補充できれば、症状を和らげることができます。

とはいえ、更年期になり減少してしまったエストロゲンを増やす方法はありませんし、

ホルモン剤の服用は副作用が出る場合もあり、服用の継続が困難であったりします。

つまり、体内で作られているエストロゲン(以下、動物性エストロゲン)と全く同じものを補充することは簡単にはいきません。

でも、なにも動物性のエストロゲンにこだわる必要はありません。

食品から摂取できる植物性のエストロゲンにも、動物性エストロゲンと同じような働きをするものがあります。

そこで、植物性エストロゲンを多く含む食品を摂取して、減ってしまったエストロゲンの代わりに働いてもらい、「エストロゲンが分泌できない!」と混乱し、困って症状を出している身体を助けてあげましょう!

そうすることで、更年期の様々な心身の不調を和らげることができます。

植物性エストロゲンを多く含む食品には何がある?

①大豆製品

大豆製品
植物性エストロゲンを多く含む食品:大豆製品
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大豆には、イソフラボンという植物性エストロゲンがたくさん含まれています。

イソフラボン(ダイゼイン)は、腸内細菌によってエクオールに変化し、エストロゲン受容体に結合し、エストロゲンと同じような作用を発揮すると言われています。

ただし、イソフラボンの1種であるダイゼインをエクオールに変化させる腸内細菌は、30〜50%の人しか持っていないため、積極的に摂取しても効果なしということもあることが欠点です。

1日の推奨摂取量16mg〜22mg(大豆イソフラボンアグリコンとして)

<イソフラボンを含む食品の例>

豆腐…1/4丁あたり18mg
きな粉…1gあたり27mg
納豆…1パックあたり35mg
味噌…100gあたり50mg
豆乳…100mlあたり24mg

②亜麻仁油、ごま、ブロッコリーなどリグナンを含む食品

あまに油
植物性エストロゲンを多く含む食品:亜麻仁油

グナンは、イソフラボンと同様に植物性エストロゲンとして知られている物質です。

体内で腸内細菌によって、動物性リグナンに変化し、更年期などエストロゲンが少ない状況下では、エストロゲン受容体に結合し、エストロゲンと同じような作用を発揮すると言われています。

グナンの代謝に関与している腸内細菌は、イソフラボンのような特殊な腸内細菌ではないのですが、含まれている食品が極めて少なく、効果を得るために必要な量を摂取するのが難しいのが欠点です。

1日の推奨摂取量50mg〜100mg

<リグナンを含む食品の例>

亜麻仁油…100mlあたり300mg
ごま…100mgあたり40mg
ブロッコリー…1個あたり1.3mg

*大さじ1杯は15mg

 

植物性エストロゲンを含む食品について紹介しましたが、腸内細菌の問題であったり、わずかな食品にしか含まれていない等、人によって効果のあるなしが違ってきます。

ですが、何もしないのではなく、できることがあるなら試してみる!

それが、更年期の症状を和らげる一歩になりますし、更年期うつを予防する一歩にもなります。

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豊田早苗

豊田早苗

鳥取大学医学部医学科卒業後、総合診療医としての研修及び実地勤務を経て、2006年に「とよだクリニック」を開業。2014年には「とよだクリニック認知症予防・リハビリセンター」を開設。「病気を診るのではなく、人を診る」を診療理念に、インフォームド・コンセントのスペシャリストと言われる総合診療医として勤務した経験を活かした問診技術で、患者さん1人1人の特性、症状を把握し、大学病院教授から絶妙と評される薬の選択、投与量の調節で、マニュアル通りではないオーダーメイド医療を行う。精神療法、とくに認知行動療法を得意とし、薬を使わない治療も行っている。



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