あなたもやっている!?NGな歩き方とは|股関節ヨガ講師が教える『脚が太くならない正しい歩き方』
モデルや女優のように一直線上を歩いたり、ダイエットのために腕を振って大股で歩いたりという歩き方は、実は日常的に行うには正しい歩行とは言えません!歩行の目的、そして日常生活で意識すべき歩き方とは?
目的別歩きとふだん歩きは違う?
女優のように一直線上を移動するような歩き方、モデルがランウェイを歩くように骨盤から前に長い脚を前に運び、お尻を揺らすような歩き方、はたまたダイエット目的で大股で腕を大きく振った歩き方…。実はどれもあくまでもそれぞれの『目的』のために行っている歩き方で、股関節ヨガ講師の私の視点からお伝えすると、関節の健康の観点からみて日常的に行う歩き方としてはオススメできません。
●女優のように一直線の上を歩くようにすると…
腰をねじって脚を一直線上につくように歩くと、腰に負担がかかります。また、脚を一直線に着地させるため、脚全体が内側にねじれ、O脚や膝下O脚を引き起こしやすい筋肉のつき方になる可能性もあります。お腹をねじっているため、お腹がシェイプアップされそうなイメージがありますが、本来使われるべき股関節のインナーマッスルは使われていません。
●モデルのように骨盤から脚を出し、腰を横に揺らしながら歩くと…
腰を横に揺らす動きも、一直線歩きと同じく腰に負担がかかります。また、脚を着地した際にお尻の外側に体重がかかるため、お尻や太ももの外側に筋肉がつきやすくなる可能性も考えられます。
さらに、体重を前に運ぶときに膝を伸ばしきるように歩くと脚が長く見えそうですが、膝の過伸展(反張膝=膝の関節が180℃以上に伸びている状態)を招き、太ももの前側の筋肉を使いすぎてしまい、ふくらはぎの外側の筋肉の張りなどを引き起こしやすくなります。本来使われるべき股関節の動きを骨盤がカバーしている状態のため、健康的・機能的な歩き方とはいえません。
●大股で腕を振り、カカトから歩くと…
体を大きく使って歩き代謝をアップするなどの目的としては正しいといえますが、カカトから強く地面に着地することで脚全体への負担があることは否めません。カカトを地面に着地したときの衝撃が、足首・膝・股関節・腰へと伝わっていき、下半身の関節の痛みを引き起こす原因にもなります。
股関節から楽に歩こう!
モデルウォーク、ダイエットウォークなど、様々な歩き方がありますが、それぞれの目的があってその歩き方があります。家の中や買い物などの日常的には、「関節の負担を減らし、筋肉を使わず骨から楽に歩く」ような歩き方をお勧めします。そのために大切なのが大腰筋という筋肉。
大腰筋は背骨の内側から太ももの内側をつなぐインナーマッスルで、膝を持ち上げる時に使われる筋肉です。大腰筋を上手に働かせることで
1.体の中心から体幹を使って、姿勢よく楽に歩くことができる
2.太ももの前側や膝から下の筋肉などの負担を減らすことができる(無駄に使いすぎないことで美脚にもつながりやすい)
3.下肢の筋肉をたくさん使わないため、長時間歩いても疲れづらくなる
などのメリットがあります。逆にこの大腰筋を上手に使えていない歩き方で長時間歩くと、スネやふくらはぎ、太ももや腰などに疲労を感じやすくなるため、セルフチェックしてみてくださいね。
大腰筋を使えるようにするエクササイズ
大腰筋はインナーマッスルのため、トレーニングを行っても「使っている感がない」「どこを動かしているかわからない」という点が難しいところ。トレーニングを行う前と後で歩きやすさ、体幹の安定感などをチェックすることで、「使えている状態」になっているか確認してみましょう。
0.ビフォーチェック:数歩歩いてみて、どこの筋肉を使っているかなどを感じてみる
1.四つん這いになったら、背中を丸めて目線をおへそ方向へ
2.片脚の膝を床から数センチ持ち上げ、息を吐いて胸に近づける、吸って元の位置に戻すを繰り返す(10~20回目安)
3.その脚を背中側に曲げて、逆サイドの手で足先をつかみ、太ももの前をストレッチ(数呼吸キープ)
両脚とも終わったら、もう一度歩いてみて、股関節から脚が楽に振り出せるようになっているか感じてみよう!
動画で確認してみる
AUTHOR
伊藤香奈
股関節ヨガインストラクター。会社員歴20年の長年の座り仕事&長時間通勤で、股関節と腰の痛みに悩まされる。解剖学とヨガ・ストレッチ・筋膜リリース・骨格調整などを学び自らの痛みを克服した経験をもとに、オリジナルメソッド「股関節ヨガ」を考案。「立つ・歩く・家事をする・仕事をする」といった日常の動きが楽になるほか、股関節が整うことで、美脚・美尻・むくみ解消・ボディメイクの効果や便秘解消といった女性に嬉しい効果もあると人気が広まっている。
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