【春の不調】原因は花粉だけではない?春に起きやすい不調と季節の養生法

 【春の不調】原因は花粉だけではない?春に起きやすい不調と季節の養生法
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竹内結子
竹内結子
2023-03-04

冬眠していた動物や虫たちが動き出し、植物も芽を出す季節です。日の出の時間も早くなり私たち人も自然界と同じように動き出したくなる季節です。春の季節に起きやすい不調とは?春の季節の養生法をお伝えします。

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春はいつからいつまで?

暦の上での春は節分翌日の立春からはじまり、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨まで2月4日頃から5月5日頃までをいいます。立春の「立」はじまりを意味します。春は少しずつ陽気が芽生え春分には昼と夜が同じ長さになります。三寒四温を繰り返し気温の変化に身体は対応するために負担がかかります。卒業や入学、新年度、環境の変化などから体調、精神面でも春は不安定になりやすい季節です。

春に出やすい不調とは?

中医学(古代中国伝統医学)の最古の医学書に春は「発陳」(はっちん)と記されています。「古いものを推し開いて新しいものを出す」植物が芽を出し花を咲かせるように、人も新たに芽生えた意思や意欲を育むのにふさわしい季節です。しかし、寒さで縮めていた体が緩むと冬に溜めていた不調、持病が復活したり、アレルギーなども出やすく春はさまざまな不調が出やすいので注意が必要です。

春は肝とつながる

春の季節に活発になる、反対にダメージを受けやすいのは「肝」です。肝とは肝臓の臓器だけを指すのではありません。五臓(六蔵)と六腑は表裏の関係となり肝は胆とペアになりお互いに影響しあいます。肝は全身の気の流れの調節、精神の安定、血を貯蔵する働きがあります。「筋、すじ」、「目」、「爪」、「怒りの感情」「酸味」などにも繋がります。「肝」は春に種から芽が出て枝葉が自由に伸びていくように伸びやかであることを好み、抑うつを嫌います。「肝」の機能に支障をきたすと目のトラブル、爪の状態不良、筋が硬い、つりやすい、婦人科系の不調、精神不安定などの症状が現れることがあります。

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✔こういう人は気をつけましょう

□頭痛、偏頭痛  
□イライラしやすい  
□怒りっぽい
□目の疲れ    
□涙目
□爪がもろい
□筋がつりやすい
□関節が硬い
□肩こり
□生理不順や生理痛に悩まされる

春の食養生

肝を元気にするために気血を蓄え巡らせる食を取り入れましょう

●青物(緑色)の野菜を積極的に取り入れてみましょう。ほうれん草は血を補い、セロリ、春菊、菜の花、ニラ、大葉、三つ葉など香りの良い食材は気を巡らせます
●苦味のある旬の山菜、うど、ふきのとう、たけのこなどは体内の老廃物を取り除いてくれます
●梅干、柑橘系の果物や酸味も良いです(取りすぎると肝を縮めてしまうので注意)天然の甘味(ハチミツ、黒糖など)を加えて摂るのもおすすめです
●クコの実、ブルーベリーなど目の働きを助けます(似たものを摂ることにより補う「似類補類」という考えが伝えられています)
●菊花茶、ハーブティーなど香りの良いお茶を楽しむ

春の生活養生

●朝は早起きをして春の朝日を浴びて体を動かしましょう
●緩やかな服装やヘアスタイルにして体や頭髪を締めつけないようにする
●ヨガや呼吸法など精神を落ち着かせる
●ストレスをためずゆったりと過ごす

春の心の養生

春は四季のはじまり土台となる季節です。成長を援助し大いに励ましましょう。人に対してだけではなく自分に対しても責めないように。「自分なんか」と責めてばかりいると「肝」を傷つけ「怒傷肝」(どしょうかん)になるといわれます。春の「肝」は思いやり、慈悲心とも繋がります。春はすべてを抑えつけることなく気持ちを外に向けて新たに芽生えた意欲を育ててゆきましょう。

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参考図書:中医養生ヨガ®テキスト

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竹内結子

竹内結子

ヨガインストラクター 。ホットヨガやスポーツクラブでヨガを体験し、もっと学びを深めたいとの思いから様々な流派のヨガメソッドを経験、さらには指導者資格を取得するに至る。ヨガへの学びを深める中で中医学と出会い、中医学関連の資格も取得。見えない心や感情、身体への理解を求めて東洋、西洋の視点で勉強中。RYT200、ケン・ハラクマのアシュタンガヨガプライマリーシリーズTT、シニアヨガ、中医養生ヨガ®初級中級、中医学女性の体とマタニティ、四季養生ヨガ、JOPHEE中医学骨盤モジュールTT修了。



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