聞き役に徹しているつもりでも…相手には気持ちがバレている?精神科医が教える「良い聞き役」とは

 聞き役に徹しているつもりでも…相手には気持ちがバレている?精神科医が教える「良い聞き役」とは
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良好な人間関係を築くために会話は大切です。うまく話すことに意識が向きがちですが、「聞き役」も会話においては重要なポジション。話を聞くことで相手の心を動かすこともできるでしょう。今回は、精神科医師である益田裕介 著『もう人間関係で悩まない 精神科医がやっている聞き方・話し方』(フォレスト出版)から、聞き役のプロである精神科医が実践している聞き方のスキルをご紹介します。

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聞き方で自分の気持ちは相手にバレる

ビジネスにおいて会話を成功させるためには「聞き役に徹する」ことが大切です。大前提として「会話の主役は相手」ということを覚えておきましょう。そして人は「聞くよりも話す方が好き」ということもぜひ知っておいてください。

「話す」という行為はそれだけで気持ちがいいもの。そして、相手は話せば話すほど、あなたに対する信頼感が高まります。自慢話ばかりする人も、聞いてもらえるから好感を抱いて話しをするのです。

「会話の主役は相手」ということは「相手を尊重する」ということです。たとえば、「先生」と呼ばれる職業では、相手より立場が上だという勘違いが起こりやすく、つい「相手より自分が上」だと思ってしまいがちです。そのような気持ちで相手を尊重することができるでしょうか。「自分のほうが上」という気持ちは、無意識のうちに態度に出てしまうので気をつけなければいけません。

自分が聞き役に徹しているつもりでも、相手には自分の気持ちがバレていると思っておいてください。ではどのような聞き方が「きちんと相手に向き合い・尊重する」聞き方なのでしょうか。

良い聞き役になることで相手の心を動かせる

聞き役に徹する際のポイントは「相手の話に熱中しすぎないこと」です。精神分析には、「いろいろなものに目を向ける必要がある」という意味の「平等に漂う注意」という専門用語があります。聞き役だとしても、相手の顔色や表情などさまざまなことに注意を向けてみましょう。

良い聞き方はとてもシンプルです。

STEP1:うまくあいづちをしたり、相手の表情から気持ちを察したりして、会話のリズムを合わせる。
STEP2:「なるほど~」「すごい!」「大変だね」などあいづちの抑揚をつけて、会話にストーリーを生み出す

上級者編として、会話にツッコミを入れるなどもありますが、少々才能が必要なのでSTEP1、2ができれば上出来です。

会話をしている相手は、話の内容を理解してもらえているのか、気持ちに寄り添ってもらえているのかを無意識に判断します。良い聞き役として相手を尊重してきちんと向き合うことはどんな言葉やアドバイスよりも相手の心に響き、気持ちを動かせるでしょう。

精神科医
『もう人間関係で悩まない 精神科医がやっている聞き方・話し方』益田裕介・著(フォレスト出版)

『もう人間関係で悩まない 精神科医がやっている聞き方・話し方』著者/益田裕介医師(早稲田メンタルクリニック院長 精神保健指定医、精神科専門医・指導医)
岡山県出身、防衛医大卒。2019年12月よりyoutubeチャンネル「精神科医が心の病気を解説するCh」を配信開始。日々、精神疾患や治療法、カウンセリング技法などの解説を行なっている。チャンネル登録者数は32万人を超え、1日の再生回数は平均20万回以上(2022年7月時点)。また、患者さん同士がオンライン上で会話をしたり、相談ができるオンライン自助会を2022年3月24日より主催・運営するほか、精神科領域のユーチューバーを集めた勉強会なども運営している。

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構成・文/松村翠

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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