不調を改善したいなら1日の過ごし方が大事!経絡時計から見る生活養生法
1日24時間という時間はすべての人に平等に与えられています。活動する時間、眠る時間、食事をする時間、どの時間に身体はどのような状態であることが望ましいのか?今回は、中医学の視点から時間に合わせた一日の過ごし方「経絡時計」から見る生活養生法をお伝えします。
不調が出やすい時間帯
早朝に咳が出やすい、夕方になると特に疲れやすいなど、不調が出やすい時間帯はありますか?中医学(古代中国伝統医学)では食事や睡眠のタイミングは自然界の流れに合わせて一日を過ごすことが望ましいと伝えられています。自然界の時間に合わせて過ごしていくとはどのようなことか経絡時計から見る生活養生をご紹介します。
経絡時計とは?
経絡とは全身を縦に流れる経脈、横に流れる=絡脈、気や血が通る道のことです。全身には臓腑とつながる主要な経脈12本が流れています。この経脈を通じて体内の臓腑が一日の中で最も活発になる時間、気血が流注する時間を表したものが経絡時計です。子午流注(しごるちゅう)とも言われます。
2時間ごとに五臓六腑(六蔵六腑)が担当する時間を辿り、24時間で一日を巡ります。昔は一日24時間を2時間ごとに区切り十二支の干支で表していました(子の刻など)。今でもこの名残があるのが午前・午後という表現で、午(うま)の刻は11時から13時でした。お昼の12時前を午前、昼の12時の後を午後と今でも名残ある言葉を使っています。
体調が悪くなる時間帯によって臓腑とつながる経脈がわかります。経脈の担当する時間を見ていきましょう。
3~5時は「肺経」
浅い眠りから目覚めるころ、一日のスタートは肺が活発になります。この時間帯にヨガを行う流派もあります。肺が弱いお子さんや高齢の方は咳き込むことが多い時間帯でもあります。
5~7時は「大腸経」
肺から送られたエネルギーにより大腸が活発になり排便に最も適した時間です。水や白湯を飲み排便を促しましょう。
7~9時は「胃経」
朝食は王様の食事とも言われますが、胃が活発な時間にバランスの良い朝食を摂りましょう。よく噛んで栄養を吸収しやすくしましょう。
9~11時は「脾経」
朝食の栄養を吸収し、代謝を促し気血津液がつくられる時間です。一日のエネルギー源と転換し身体はアクティブになります。
11~13時は「心経」
昼食後には休憩をして、少しの昼寝をしてリラックスすることで心が休まり午後の活力になります。この時間帯のお昼寝を子午寝(しごね)とも言われます。
13~15時は「小腸経」
小腸が消化・吸収と分別をする時間です。遅い昼食はこの時間までには済ませるようにしましょう。
15~17時は「膀胱経」
この時間帯にはトイレを我慢しないようにして排出を促しましょう。下半身、足に余分な水分を溜めないようにしましょう。
17~19時は「腎経」
この時間帯に疲れやすい人は休息を入れましょう。腎気を養う夕食を摂るにも良い時間です。腎気が整っている人は頭が冴え渡り勉強にも良い時間です。
19~21時は「心包経」
心包は心を包み守るように働くとされています。心が穏やかでいられるようにゆったりと過ごす時間に最適です。
21~23時は「三焦経」
三焦とは胴体を上焦・中焦・下焦の3つに分けて考えます。早めの就寝は自然治癒力を高め、免疫力の向上に繋がります。
23~1時は「胆経」
胆のうは胆汁の貯蔵、排泄をしています。日付が変わる時間、陰から陽へ転じる頃に眠っていることは健康を保つ上で大切です。
1~3時は「肝経」
肝は血を蔵し、精神の安定や全身の気の流れを調節する働きがあります。肝臓回復の時間です。朝すっきりと目覚められるように熟睡している時間です。
経絡時計に合わせて一日を過ごしてみましょう
現代社会では規則正しい時間に沿った生活はできない方もいるかもしれません。しかし、気血の乱れや臓腑の不調を感じることがあれば食事と摂る時間や睡眠時間などを見直してみることも大切です。人間の身体には経絡時計・体内時計と呼ばれる昼と夜の自然のリズムが備わっています。時間の改善から生活養生を心掛けてみてください。
※参考図書:『中医養生ヨガ®テキスト』
AUTHOR
竹内結子
ヨガインストラクター 。ホットヨガやスポーツクラブでヨガを体験し、もっと学びを深めたいとの思いから様々な流派のヨガメソッドを経験、さらには指導者資格を取得するに至る。ヨガへの学びを深める中で中医学と出会い、中医学関連の資格も取得。見えない心や感情、身体への理解を求めて東洋、西洋の視点で勉強中。RYT200、ケン・ハラクマのアシュタンガヨガプライマリーシリーズTT、シニアヨガ、中医養生ヨガ®初級中級、中医学女性の体とマタニティ、四季養生ヨガ、JOPHEE中医学骨盤モジュールTT修了。
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