「そもそも身体が硬いと何でダメなの?」理学療法士が分かりやすく【5つのデメリット】を解説

 「そもそも身体が硬いと何でダメなの?」理学療法士が分かりやすく【5つのデメリット】を解説
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堀川ゆき
堀川ゆき
2023-01-16

理学療法士の堀川ゆきさんが、日常生活に役立つ身体の知恵を紹介、今回は身体の硬さが引き起こすデメリットについて解説します。

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身体が硬いという悩み

「身体が硬いんです・・・」という悩みを抱えている人はたくさんいます。私も高校生までは自分は身体が硬いと思い込んでいました。身体が硬いと一概に言われますが、

筋肉が硬い
関節が硬い

大きくはこの2つに分けられます。もちろんこの両方が合わさっている人もたくさんいます。でもそもそも身体が硬いってダメなことなのでしょうか?答えはやはりYESです。適度な柔軟性があることが健康であり身体には良いのです。その理由について簡単に説明します。

身体が硬いとどうなる?

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photo by Yuki Horikawa

疲れやすい
怪我をしやすい
姿勢が悪くなる
痛みが出やすい
他の部位に負担がかかる

主にこの5つがあげられます。具体的に説明します。

疲れやすい

筋肉が硬くなると、血液などの循環が悪くなります。血行不良になると酸素や栄養が全身に行き届かず、さらに疲労物質や不要な水分などの老廃物が排泄されにくくなり、体内に貯留してしまうからです。また狭い関節可動域で日常動作を行うことで、同じ部位に負担をかけてしまい疲労を感じやすくなります。

怪我をしやすい

筋肉が硬くなると、ハムストリングスの肉離れやアキレス腱損傷などの怪我が多くなります。また関節が硬いと、その狭い関節可動域内での動作に限られてしまうので、それによって捻挫や転倒などの怪我も多くなります。

姿勢が悪くなる

歳をとると腰や背中が丸まりやすくなり、関節の変形が起こります。その理由の一つとして、体幹を後ろに反らす柔軟性が低下することがあげられます。他にも身体が硬いことによる関節の変形は、股関節や膝にも起こります。

痛みが出やすい

筋肉や関節が硬いと、肩こりや腰痛や膝痛の原因になりやすいです。関節の可動域が狭いため関節への負担が増し痛みを誘発します。また、筋肉本来の活動量が低下すると、痛みの閾値が下がりやすく、筋肉内に発痛物質が滞り痛みを感じやすくなります。

他の部位に負担がかかる

身体に硬いところがあると、そこをカバーするために隣接する関節や、隣接する筋肉に負担がかかってきます。その結果、必要以上に負担をかけてしまった部位の痛みや変形の原因となります。 他にも身体が硬いと、太りやすい、むくみや冷え症になりやすい、内臓の機能が低下する、生活習慣病になりやすいなど、関連して様々な健康リスクが潜んでいるとも考えることができます。

まとめ

「身体が硬いと何でダメなの?」その素朴な疑問にお答えしました。理由を知ることで、今後身体の硬さを克服するためストレッチなどをするモチベーションになればと思います。柔軟性を高めるストレッチの方法は、私のコラムで部位別・目的別にたくさん紹介しています。一方で、別記事【身体が柔らかすぎるのは危険!ヨガで必要な「運動機能の3要素」】でも解説していますが、柔軟性は高ければ高いほど良いわけではありません。柔軟な身体は健康のもとです。毎日少しずつできるところから始めてみましょう。

参考:園部俊晴「健康寿命が10年延びるからだのつくり方」運動と医学の出版社,2017

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AUTHOR

堀川ゆき

堀川ゆき

理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。抗加齢指導士。2006年に渡米し全米ヨガアライアンス200を取得。その後ヨガの枠をこえた健康や予防医療に関心を持ち、理学療法士資格を取得。スポーツ整形外科クリニックでの勤務を経て、現在大学病院にて慢性疼痛に対するリハビリに従事する。ポールスターピラティスマットコース修了。慶應義塾大学大学院医学部博士課程退学。公認心理師と保育士の資格も持つ二児の母。



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