振り返るとき「胸」から動かしている?【しつこい腰痛の原因】丸まった胸を柔らかくほぐすストレッチ
胸が丸まり、詰まっている感覚がある方は、腰に負担が起きやすくなっているかもしれません。胸のかたさを解消して腰痛予防へと繋げていきましょう。
後ろから名前を呼ばれたら、振り返るとき動く場所はどこ?
普段、長時間のデスクワークなどで胸が詰まり猫背になりやすい方はたくさんいらっしゃるかもしれません。
そのような姿勢のとき、突然後ろから名前を呼ばれたら、振り返るとき身体のどこをねじっていますか?
首・胸・腰、どの部位が動きやすいでしょうか?
もしかしたら首がとても簡単に動きやすく反応しやすいかもしれません。または、無理に腰をねじろうとしているかもしれません。
では胸の動きは?……言われてみると、胸からねじっているという感覚はあまりないのではないでしょうか。この胸の動きの悪さが、腰痛の原因となっている場合があります。
背骨を首(頸椎)・胸(胸椎)・腰(腰椎)と区切ったとき、胸椎の特徴を知りながら、意識的に胸まわりの硬さを解消していきましょう。
胸椎と腰椎の関係
背骨(脊柱)は、頸椎7個の椎骨・胸椎12個の椎骨・腰椎5個の椎骨・仙骨・尾骨と長い一本のS字ラインで構成され、柱のような役割で身体を支えています。
胸椎・肋骨 ・胸骨で囲われた胸郭部分には、心臓や肺、肝臓などの重要な臓器が保護されています。また、胸椎はもともと少し後ろに後弯(こうわん)しています。
動きの特徴として、胸椎と腰椎を比較してみましょう。丸まる動きは胸椎(約30°~40°)より腰椎(約50°)のほうが得意で、反る動きは腰椎(約15°)より胸椎(約20°~25°)のほうが得意です。
一方、ねじる動きは、腰椎(約5°~10°)より胸椎(約30°)のほうが得意です。
つまり、胸まわりは、意識して開き、引き上げ、ねじるような動きを加えていってあげることで柔軟に動きやすくなり、腰椎に負担がかかりづらくなるのです。
胸の硬さを解消①
①バスタオルを半分に折り、端からクルクル丸める。肩甲骨の下に丸めたタオルがくるよう調整しながら、ゆっくり仰向けになる
②両手を万歳し、両ひじを曲げる。肩がこわばっていない高さに調整し、深呼吸。胸の中心、みぞおちの辺りが開かれていくよう大きくゆったりした深呼吸を繰り返す
胸の硬さを解消②
①仰向けになる。右足裏を左太ももの上に乗せる。右手は大きく横に開き、肩を床にどっしりと安定させる
②息を吐きながら、左手を使って右脚をゆっくりと左の床へ(床に降りなくても大丈夫)。腰は緩やかなねじり、右胸の開きを大きく感じる。深呼吸を繰り返す
③息を吸いながら、ゆっくりと中心へもどる
※反対脚も同様におこなう
胸の硬さを解消③
①四つん這いになる
②右手のひらを後頭部へ。息を吸いながらみぞおち裏からねじり、斜め上を見上げ胸を引き上げ開く
③息を吐きながら右ひじを左ひじへ近づけ胸を閉じる。②と③を呼吸に合わせて繰り返す
※反対側も同様におこなう
AUTHOR
元田裕子
ヨガインストラクター。図書館司書として働いていた頃にヨガと出会う。心身がすっきり解放される感覚に魅了され、指導者資格を取得。現在は、オンラインレッスンのほか、横浜市内のヨガスタジオ、カルチャーセンター、子育て支援施設、神社などでクラスを担当。子どもから大人まで幅広い世代へセルフケアの大切さを伝えている。全米ヨガアライアンス500時間修了/龍村ヨガ指導者養成講座修了/経絡YOGA認定講師。インドのアーユルヴェーダDr.よりアーユルヴェーダ・マルマセラピーを学んでおり、アーユルヴェーダアドバイザー、マルマセラピストとしても活動の幅を広げている。
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