【知って得する中医学】「目の疲れがなかなか取れない」その原因は、目にはないかも?
目は身体の器官のひとつであり、たくさんの酸素や栄養を消費しているところでもあります。目の疲れがなかなか取れないその原因はどこにあるかを見てみましょう。
現代人の抱えやすい不調のひとつに「眼精疲労」があります。長時間によるスマホ、パソコンによるドライアイ、かすみ目、視力低下など目を酷使していることで生じる不調は「目」そのものだけに起こる問題ではないかもしれません。現代人に起こりうる目の不調を中医学(東洋医学)の視点からお伝えします。
肝は目に開く
中医学(東洋医学)では身体の内側にある五臓は身体の外側にある器官とつながっていると考えます。目の不調であれば「肝」に通じ、「肝」の不調は目に通じるとされています。「肝」と外界をつなぐ窓口となるのが「目」になります。この「肝」のはたらきには大きく2つ、「疏泄」(そせつ)という気、血を円滑に全身に行き渡らせ伸びやかな状態を保つ働き。もう1つに「蔵血」(ぞうけつ)は血を貯蔵し血量をコントロールする働きです。「肝」は気、血の働きが正常であれば「魂」は安定し「魂(こん)を蔵す」とされています。
肝の変調からおこる症状
この「肝」に変調が起きると身体に様々な症状が現れます。「肝」は目のほかに爪、筋(腱、靭帯)と深く関わり、女性は月経に関する症状にも影響します。疏泄(そせつ)の働きが不充分になると「肝」に相応するのは「怒り」の感情。怒っている人の目が血走っていたり、「カンにさわる」という言葉があるように怒りっぽい人は「肝」と関係していることが考えられます。
あてはまるチェックが多い人は気を付けよう
✔かすみ目やドライアイ、涙目、瞼がピクピク痙攣する
✔爪に縦すじができる、2枚抓や割れやすい
✔筋肉が硬くて伸びない、足がつりやすい
✔PMSや生理痛に悩まされる
✔イライラ、怒りっぽい
✔決断力が鈍る
肝を健やかに保つには
肝臓という臓器は体内の右腹腔に位置し大きな臓器でもあり代謝、造血、解毒、胆汁をつくる働きを担っています。上記にある「決断力が鈍る」ということに関しては「胆」が関わります。「大胆」「落胆」という言葉があるように「肝」が弱るとそれに伴い「胆」の機能も低下します。「肝」と「胆」は表裏の関係となりお互いが助けあい役割を果たしています。肝気のバランスを保つためには以下にあることを参考にしながら生活習慣全体を振り返ることが目の疲労の緩和につながるかもしれません。
夜更かしをせずに眠る
遅くも23時には床に入り日付が変わる深夜には熟睡をしていることが好ましく「肝」が血を蓄えます。
造血作用のある食材、香りのある食材を取り入れる
レバー、にんじん、ほうれん草など血液を増やす食材や大葉、三つ葉など香りの良い食材は肝気を巡らせるので積極的に取り入れてみましょう。
目のまわりにあるツボを押す
指のはらで3秒~5秒心地よい程度の刺激を加えて目のまわりの血流を促します。強く押しすぎに注意しましょう。
肝の経絡が流れるヨガポーズを取り入れる
ツボは気血が集まる反応点、経絡(けいらく)とは気血の流れの通路とされています。肝の経絡は両足の内側を上行しています。開脚のポーズ「ドラゴンフライ」トンボのポーズをご紹介します。
①両足を無理のない範囲で開きます。膝のしたにタオルやクッションを入れてもよいです
②息を吐きながらゆっくりと上半身を前に無理ない角度へたおします
③痛すぎないところで保持します(キープできそうであれば1分半~3分位)
④起き上がる時には息を吸いながらゆっくりと上半身を起こし足を戻します。しばらく休み、余韻を感じてみましょう。
「ドラゴンフライ」トンボのポーズ仰向けのバリエーション
①仰向けになり両足を持ち上げてゆっくりと開く
②無理に広げようとせずに心地よい範囲でおこないましょう。壁を使ってもよいです(キープできそうであれば1分半~3分位)
③両足をゆっくりと閉じて戻し余韻を感じてみましょう
おわりに
中医学の「肝」は木のように幹や枝が自由自在に成長するイメージで伸び伸びするのが好きな性質です。日常生活の見直しやストレスとも上手くつきあいながら養生してみて下さいね。
AUTHOR
竹内結子
ヨガインストラクター 。ホットヨガやスポーツクラブでヨガを体験し、もっと学びを深めたいとの思いから様々な流派のヨガメソッドを経験、さらには指導者資格を取得するに至る。ヨガへの学びを深める中で中医学と出会い、中医学関連の資格も取得。見えない心や感情、身体への理解を求めて東洋、西洋の視点で勉強中。RYT200、ケン・ハラクマのアシュタンガヨガプライマリーシリーズTT、シニアヨガ、中医養生ヨガ®初級中級、中医学女性の体とマタニティ、四季養生ヨガ、JOPHEE中医学骨盤モジュールTT修了。
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