「なんとなく不調」の原因を中医学で診断!胸に溜まった気の滞りを解消【セルフ内臓セラピー&陰ヨガ】

 「なんとなく不調」の原因を中医学で診断!胸に溜まった気の滞りを解消【セルフ内臓セラピー&陰ヨガ】
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肩が凝る、動悸がする、眠りが浅くて疲れが取れないといった身体の症状はもちろん、焦り、イライラ、不安感が抜けないといった心の症状にも。手のひらで呼吸が深まるセルフ内臓セラピーと、脇の下がじんわりと広がる陰ヨガポーズで高ぶりすぎた神経をじっくりと鎮めて。奥に溜まった頭と心の不必要な緊張を解いていきましょう!

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原因不明の心や身体の不調には「陰ヨガ」が有効?その理由は?

〜病は気から〜という言葉があります。頑張りたいのにクヨクヨしてやる気が起きない、どうしてもイライラして緊張が抜けない、身体を休めても動かしてもスッキリせずに疲労が抜けない、慢性的な頭痛や腰痛、消化不良など、原因不明の心や身体の不調を感じたことはありませんか?

陰ヨガは、ヨガと中医学を融合したヨガ。中医学では身体に不調が起きたとき、例えば西洋医学のように発熱があれば熱を下げる薬を飲むというように”症状”をみて治すのではなく、陰陽五行という概念をもとに、その”症状”はどの臓器の不調からきているのか?というようにその症状を引き起こしている原因を探っていきます。

一言に発熱といっても、例えば季節、夏の暑さが引き起こしたものなのか、更年期などホルモンバランスの乱れによるものなのか、細菌やウィルス感染によるものなのか、と原因は様々。中医学ではその人それぞれの原因、持っている体質を踏まえた上で、自然の生薬である漢方を服用し、”症状”が出ている原因となっている弱った臓器のはたらきを高め、生活習慣を見直し、身体のバランスを整え養生をすることで根本から不調を改善していき、本来備わっている自然治癒力、免疫力を高めていきます。

中医学が考える、病気を招く3つの原因

では、なぜ人は病気になるのでしょうか? 中医学において、人が病気になる原因は…

①外因=季節の環境変化

夏の暑さ、秋の乾燥、冬の寒さ、ウィルスなど自然界の環境によるもの

②内因=感情の変化

過度な感情変化は臓器を痛めつける

③不内外因=生活習慣、遺伝、事故

食べすぎや食べなさすぎ、お酒やタバコなどの生活習慣、親からの遺伝、不慮の事故

というように、主に3つの原因から起きると考えられています。

古代から伝わる中医学では”内臓には感情が宿る”と伝えられていて、無意識のうちに溜まったり、我慢しすぎて無理に気持ちを溜め込みすぎたりすることで、その過剰なマイナスの感情が臓器を痛めつけ、また、臓器が疲れたり弱ったすることで負の感情を抱きやすくなるという考え方があります。

現代において、病名がつかないなんとなくの不調や、起きている症状や病気の原因がわからない、と大体”ストレス”からと捉えられがちですが、一言でストレスといっても枯れている環境も、何にストレスを感じるのかも人それぞれ。一人で解決することは難しいですよね。

そこで、それぞれの臓器に当てはまる感情の性質を中医学の土台にある陰陽五行図でみていきましょう。自分の抱えている精神的な問題はどんな感情からくるものなのでしょうか?その性質を知り、理解することは、心を整理し、お腹にたまった未消化な気持ちを消化する為に、とても役に立ちます。

陰陽五行
イラストAC

怒り、イライラ=親切心、優しさ
”怒”が、肝のエレメント。肝臓はストレスに弱く、全身の気の巡りを調節するので過度なフラストレーションは気滞、身体の気の滞りの原因に。肝臓が健やかだと気持ちもスムーズに。優しくしたり、人に親切にする気持ちが湧いてきます。

興奮しすぎ、焦り、精神不安=許容、冷静さ
”喜”が心のエレメント。喜ばしいのはいいことですが過度な興奮状態が続くと、心が疲弊して心臓を弱らせる原因に。睡眠障害や動悸などを引き起こし焦りや、精神不安に。心の健やかさは、何事も認め受け入れる、冷静に判断するといった心の安定感に繋がります。

思い悩む、クヨクヨ=おおらかさ
”思”が脾のエレメント。胃は湿気に弱いので、ジメジメした感情をヘドロのように溜め込みすぎると浮腫や、消化力が低下する原因になります。脾のはたらきが高まると大地のようにおおらかな寛大な気持ちへと広がっていきます。

喪失感、悲しみ=勇気
”悲”が肺のエレメント。夏から秋へと、陽から陰の乾燥の季節に切り替わった秋や、人との別れによって喪失感や悲しみを抱え込みすぎると呼吸は浅く、気虚。生命力のエネルギー不足に繋がります。深い悲しみも、時間をかけて受けとめ乗り越えた時に、生きる勇気が湧いてきます・

不安、恐怖、ビクビク=慈しみ、思いやり
”恐、驚”が腎のエレメント。腎は親から受け継いだ先天的な生命エネルギーの貯蔵庫。恐怖の体験、幼い頃に傷ついたトラウマなどは生命力を消耗し、慢性的な疲労や寿命を縮める原因に。不安や恐れに向き合って過去の体験や自分自身を認め許すことで、自分を信じ、他者を思いやり、慈しむ気持ちが湧いてきます。

どんな感情も生きていれば自然に湧いてくるエネルギーです。いい、悪いということはありません。ネガティブな感情に囚われてどうしたらいいか不安になることがあっても、そのネガティブな感情の裏にはポジティブな感情がちゃんと一緒に存在しているから、大丈夫。ということを覚えておいてくださいね。そして身体が辛い時には心を労り、心が辛い時には身体を労って、心と身体のバランスを整えていきましょう。

呼吸も、気持ちも、目には見えないけれど生きていくうえで必要な、パワフルなエネルギー。コントロールしようと無理をせずに、陰ヨガで身体も心も地球の重力に委ねて、じっくりと奥に溜まった感情の滞りを、呼吸をしながら焦らずにじっくりと自然に還すように少しづつ吐きだしてみましょう。

今回ご紹介するのは、手のひらで胸のまわりを緩めて、みぞおちの緊張をほぐすセルフ内臓セラピーと、胸を開いて脇の下を流れる心経の詰まりを解消する陰ヨガポーズ、オープンハートのポーズです。

肩まわりが広がるので肩凝り、首凝りにも効果があります。焦り、イライラ、精神の不安感が抜けないといった心の症状はもちろん、動悸がする、眠りが浅くて疲れが取れないといった身体の症状がある方に特におすすめのポーズです。身体を委ねることの心地よさを、ぜひ体感してみてください。

陰ヨガポーズ「オープンハートのポーズ」

ポーズのやり方

①座位から四つん這いになり、膝は腰幅程度に開きます。

②腕を伸ばして、両手のひらを前方に、マット幅程度に開いて置きます。胸のまわりと脇の下が伸びるところを探して、おでこかアゴをマットの置きます。つかない場合はおでこの下にクッションを敷いて高さを調節しましょう。

③腰の反りを強く感じる場合は重心を下半身に移動するか、お尻を後ろに引いて腰だけではなく背骨全体が伸びるように促します。長くじっとできるポジションを見つけたら、身体を緩めて3分間ポーズを保持し、ゆっくりとお尻を後ろに引いてチャイルドポーズでポーズ後の余韻を味わうリバウンドタイム。

④ポーズから抜けた後の身体の余韻を数呼吸味わってから、ゆっくりと上半身を起こします。
 

 

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AUTHOR

高西由貴子

高西由貴子

内臓ケアサロンMaitriesセラピスト 陰ヨガを通じて出会った中医学の学びを続けながら、都内を中心にサロンオーナー、ヨガインストラクター、セルフケア講座のセミナー講師と多岐に渡って活動。2020年、より一人一人の心と身体をサポートしたいという想いを元にボディケアサロンMaitriesをオープン。心と身体両面から、女性の美と健康のサポートをしている。



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