【季節の変わり目に要注意】気温差だけじゃない? 春に不足しがち、春バテを予防する「栄養素」とは
冬から春になる季節の変わり目、2~4月になんだか体がだるい、しんどい、頭が働かない~といった『春バテ』に悩まされる事はないでしょうか?寒い季節から暖かい季節への移行期間として、気温の変動が激しい影響もありますが、ちょうどこの時期は体内のビタミンD量が少なくなる時期でもあるんです。
ビタミンDが身体に与える機能
冬は太陽の出ている日照時間が少なく寒さから外出も控えがちで長袖で肌の露出も減り、太陽を浴びる時間が圧倒的に少なくなります。ビタミンDは体内のコレステロールに紫外線(UVB)が当たることによって合成されます。合成されたビタミンDは、肝臓で活性化され機能を発揮します。
ビタミンDの体に与える影響として主なものは、骨の健康や骨粗しょう症との関わりだけでなく、筋力低下や痛み、更にはうつ等のメンタル症状、免疫力の調整、血糖調節力に非常に深い関わりがあります。
また、やる気と関係のあるドーパミンという神経伝達物質の量を調整してくれる作用もあるため、ビタミンDが不足するとなんだかやる気が起きない、メンタルが低下して鬱々、筋力が落ちて体も重ダルい上に、血糖調節力も下がるのでエネルギーの源となる血糖値の安定した維持ができにくくなり低エネルギー状態、免疫力の調節不足で感染症や花粉症といったアレルギーも発症しやすくなります。
これが春に起きると「春バテかな……」「なんだか3月はしんどい、怠い……」と感じるのです。
春はビタミンDが不足しやすい時期
ビタミンDの血中濃度には年内変動があることが分かっています。夏は日照量が多く、冬は日照量が少ないため、当たり前ではありますが肌で合成されるビタミンDの量も一年を通して大きく変動があります。
特筆したいのは、札幌に住んでいる男女のビタミンD血中濃度を年間測定した研究結果についてです。ビタミンDの血中濃度が低い月は2~4月で、日照が減少した後に2ヶ月程遅れて体内のビタミンD血中濃度も低くなるという事がわかります。
したがってビタミンD血中濃度の少なくなる2~4月にどうもやる気が出ない、鬱々としやすいサイクルがあるならばビタミンDの不足を疑ってみるのも良いかもしれません。
現代人はビタミンD不足になりやすい
ビタミンDの恩恵を受けるには、太陽をしっかり浴び肌で合成することが一番簡単なのですが、現代人の生活は室内で仕事をすることが多く、知らず知らずのうちにビタミンD不足になっています。欠乏症レベルの方も珍しくありません。
女性は特に、肌の老化防止のために常に日焼け止めを塗っている場合が多いので、男性よりもビタミンDの合成量は少なくなっていると考えられます。
栄養面を考えれば非常にもったいないことですが、肌で合成ができない場合「ビタミンDサプリメント」や「ビタミンDの多い鮭やシラスなど」を気がけて食べることでも補えます。ビタミンDサプリメントは安価で粒も小さく飲みやすいので、お試しと継続のハードルが低いのでオススメです。試す場合は一日3000IUを2~3ヶ月続けてみるとよいですね。他には肌に塗るビタミンDクリームやビタミンDの注射もあるんです。
またビタミンDは採血で血中濃度の測定ができますので、自分のビタミンDレベルを一度確認してみるのも体調管理に良いと思います。分子栄養学的には様々な慢性疾患を予防する血中ビタミンD濃度【25(OH)D3】の理想値は50~70ng/mlです。
ビタミンDの活性化にはミネラルのマグネシウムも必要なため、にがり、あおさ、アーモンドなどマグネシウムの多い食品の補給も心掛けるとより良いですね。
春バテ対策にビタミンD
天気の良い日に外に出て太陽を浴びると気持ちが良く、元気が出て気分が明るくなる経験がある方も多いはず。それ程、ビタミンDと太陽の力はすごいのです。ビタミンDの血中量は日照時間と2ヶ月遅れて変化が出る事を知っておき、暖かくなってきた春は大丈夫と思わずに、2月~4月の春バテ対策としてビタミンDを意識してみてはいかがでしょうか。
AUTHOR
立山貴美恵
6年の闘病経験から「分子栄養学」に出会い、分子栄養学カウンセラー・カラダリビルドコーチとして活動中。症状を薬などで対処し続ける事ではなく”不調の根本原因”を探するアプローチや、体を立て直し再構築する考え方を提供。栄養、食事、代謝、ホルモン、メンタルについて記事執筆。HP『カラダリビルド』。様々な不調に悩む方へ個人カウンセリングや栄養療法クリニックでの指導を行う。食欲コントロールダイエットインストラクターとしてもオプティマルヘルスの実現をサポート。
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