5月病を防ぐには【4月のケア】がカギ!今からやっておきたい心と身体のケア|臨床心理士が解説

 5月病を防ぐには【4月のケア】がカギ!今からやっておきたい心と身体のケア|臨床心理士が解説
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南 舞
南 舞
2022-04-04

何かと環境が変わり、心も体も疲れを感じやすい4月。その疲れの声を無視せず、ケアしておくことが1年の流れを決めると言っても過言ではありません。4月に覚えてやっておきたい心と身体のケア方法を臨床心理士が解説します。

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4月の過ごし方がその後の1年を決める?

暖かく過ごしやすい季節となり、1年の大きな始まりを感じる4月。何かが新しく始まる気配に心躍る人もいることでしょう。しかし、人と関わることや環境の変化に抵抗感が強い人にとっては、緊張した状態が続き、大きなストレスを感じる時期でもありますね。4月って不思議なもので、いつものキャパシティ以上に心も身体も頑張れてしまうので、自分でも自覚がなく心身の疲労が溜まり、5月の連休を開けたくらいから『なんだか疲れが取れない』『気持ちが鬱々としてしまう』という、いわゆる5月病やバーンアウト状態に陥る人が少なくありません。気持ち新たに頑張るのは素敵なことですが、心や身体の声を無視すれば無視するほど、疲労感は溜まっていく一方。そして回復するまでにも時間がかかってしまいます。そうならないために、4月に心身の緊張感や疲労に対してどうケアするかがポイントになってきます。そこで、ポリヴェーガル理論の観点から時間をかけずにできるセルフケアの方法をご紹介します。

緊張感を緩めるには、2つの副交感神経がカギ

緊張感が高まっても、それをコントロールできる人とコントロールがうまくいかない人の違いは、自律神経のバランスがうまく働いているかどうかにあります。自律神経は交感神経(アクティブモード)と副交感神経(リラックスモード)に分けられますが、緊張感が常に高い状態にある人は交感神経が常に活動しており、副交感神経の働きがうまくいっていない可能性があります。交感神経が働きすぎると、手汗をかく、疲労感を覚えるなど身体への影響に加えて、他人と安心してつながれないということにも影響が。そこで注目したいのが副交感神経をうまく機能させること。自律神経系の発達の研究をしているアメリカのスティーブン・ポージェス博士の【ポリヴェーガル理論】によると、副交感神経はそこからさらに【腹側迷走神経】と【背側迷走神経】に分けられ、腹側迷走神経は、他者と心地よく過ごす時に、背側迷走神経は、一人でリラックスする時に働く神経だと言われています。神経セラピストの浅井咲子氏によると、この2つの副交感神経を育てることが、困難なことが起きても『私は大丈夫』という心の安心・安全を育て、自分にとってチャレンジな物事に直面しても、副交感神経をうまく働かせることによってレジリエンス(ストレス耐性)を高めていくことができます。まずは、【背側迷走神経(一人でリラックスする)】にアプローチし、緊張する物事に直面しても、一人の時間を充実させることで心身のメンテナンスをすることからはじめましょう。それができてから、【腹側迷走神経(他者と繋がる)】にアプローチしていくと良いです。

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南 舞

南 舞

公認心理師 / 臨床心理士 / ヨガ講師 中学生の時に心理カウンセラーを志す。大学、大学院でカウンセリングを学び、2018年には国家資格「公認心理師」を取得。現在は学校や企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとの出会いは学生時代。カラダが自由になっていく感覚への心地よさ、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じヨガの道へ。専門である臨床心理学(心理カウンセリング )・ヨガ・ウェルネスの3つの軸から、ウェルビーイング(幸福感)高めたり、もともと心の中に備わっているリソース(強み・できていること)を引き出していくお手伝いをしていきたいと日々活動中。



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