頭痛、のぼせ、鼻づまり、イライラ感は「春のせい」?寒暖差の激しい季節にいたわりたい臓器「肝」
春は寒暖差が激しく、天候も気圧もめまぐるしく変わります。春の特徴に合わせた生活を取り入れてみませんか?
立春が過ぎると日に日に春らしい日差しへとなってきますね。外を歩いていると草木の芽が出て、花が咲き始めています。春は冬の間にため込んでいたエネルギーを外へとだしていく、エネルギーに満ちあふれた季節です。私たちの身体も、自然界と同じようにエネルギーが身体の上部、鎖骨から上のあたり(顔や頭など)に向かいやすくなります。これらの季節の特徴から、人によっては頭痛、のぼせ、鼻づまり、イライラ感などの不調も出やすい時期でもあります。決して、あなただけが抱えている問題ではありません。東洋医学の観点から、季節の特徴を知り、その季節に合った食材をいただく、またその季節に弱まりがちな臓器をいたわりながら身体を動かしてあげることで、少しでも快適な暮らしへと繋げていきましょう。
五行説とは?
東洋医学の世界では五行説という考えがあります。自然、社会、人の身体など世の中に存在する全てのものが「木」「火」「土」「金」「水」の5つの要素に分類されると考えます。そして、この5つの元素は、相性、相克の関係をもち、お互いに助け合ったり、抑制し合ったりして、バランスを保ちながら万物を構成していると考えられています。
春に大切にしたい臓器は「肝」
五行説は季節も表わしており、春は「木」にあたります。(「火」は夏、「土」は残暑(長夏)、「金」は秋、「水」は冬)
木々が伸びやかに成長するように、全身に気を巡らせる時期です。冬に寒さで縮こまっていた身体を解放させ全身の気を巡らせたり、身体に栄養と潤いを与えるために血をためようと頑張ります。これらの働きは春の五臓でもある「肝」の働きです。肝の働きは、「全身に気を巡らせる。血の貯蔵をし血液量を調節する。精神や情緒を安定させる。消化吸収を促進する。中枢神経、自律神経、循環器系の作用を持つ。眼の働きや筋肉の働きをコントロールしている。」があります。春の時期、私たちの体内では「肝」に負担がかかりやすく、「肝」が弱まる時期でもあります。よって、肝をいたわってあげる生活を意識することが快適に過ごすポイントとなってきます。
「肝」をいたわる食材
●苦みや香りの強い芽の食材(ふきのとう、タラの芽、菜の花、パクチー…)
●魚介類(イカ、あさり、はまぐり…)
●酸味ある食材(梅、レモン、杏、トマト、グレープフルーツ、ミカン…)
●辛味ある食材(ショウガ、ネギ、アサツキ、大根…)
「肝」に効果的な動き
肝経(ツボ:大敦・右足親指人差し指の間~足の内側を通り~ツボ:期門・肝臓周辺)を意識して伸ばしてあげることで「肝」に効果的な動きへと繋げていきます。股関節を外へ開く動き(外転)、そして脇を伸ばす(側屈)動きです。
①両手を腰にそえ、ひざ立ちになる。
⑤吸)左手に引っ張られるように上体が元の位置へ。両手腰、伸ばした右足を戻しひざ立ちへ戻る。
※反対も同じようにおこなう。
春の揺れ動きやすい時期、体内でも力一杯、春の季節への準備がせっせと繰り返されています。その命の営みを寛容に受け入れ、日々口にするものを気をつけてみたり、サポートできるような動きが自らできたら素敵ですね。肝をいたわりながら多少のイライラ感も季節に順応している証拠だと受け入れ、春の温かい日差しが心地良さへと繋がりますように。
AUTHOR
元田裕子
ヨガインストラクター。図書館司書として働いていた頃にヨガと出会う。心身がすっきり解放される感覚に魅了され、指導者資格を取得。現在は、オンラインレッスンのほか、横浜市内のヨガスタジオ、カルチャーセンター、子育て支援施設、神社などでクラスを担当。子どもから大人まで幅広い世代へセルフケアの大切さを伝えている。全米ヨガアライアンス500時間修了/龍村ヨガ指導者養成講座修了/経絡YOGA認定講師。インドのアーユルヴェーダDr.よりアーユルヴェーダ・マルマセラピーを学んでおり、アーユルヴェーダアドバイザー、マルマセラピストとしても活動の幅を広げている。
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