「いつか治る癖だと思っていた」抜毛症と生きるボディポジティブモデルGenaさんインタビュー前編

 「いつか治る癖だと思っていた」抜毛症と生きるボディポジティブモデルGenaさんインタビュー前編
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――抜毛症だというのは、11歳で症状が出た段階から理解していらっしゃったんですか。

Genaさん:いや、それが当時はただの癖でいつか止められるだろうと思っていました。抜き始めたことは母も妹も祖母も見ていて「やめなよ」「はげちゃうよ」って。私も「はいはい」みたいな感じでしたし。結局、ずっと止められなくて抜毛症と診断されたのは26歳のとき。それまで医療というものにたどり着くことはなく、孤独でしたね。

Gena

ずっといつか治る「癖」だと思っていた抜毛行為

――抜毛という行為が心因性のもので、病院に行く症状だとは思っていなかったということですよね。

Genaさん:そうですね。症状にも波があったので単に癖なのかなと。最初に抜き始めた小5のときは結構抜いてしまっていて、小6のときに少し落ち着いて。中2で転校してうまくいかなくなってから抜く量がまた増えて。増減はあるけど、その後も一貫して抜き続けてしまっています。

抜いているときは止めなくちゃって思っているんです。でも、没頭しちゃう。「ダメ、絶対はげる」と思っているのに体を止めることができなくて。これは大人になってカウンセリングしてから分かったことなんですけど、抜いているときは乖離している。抜いている自分を遠くから見ていて、半分無意識の世界という部分もあるんです。

気付くと1~2時間、頭を前に倒してチクチク抜いちゃっているときもあって。我に返った瞬間、「うわ!」って、机の上の毛を見るのも、鏡を見るのも怖い。コントロールできなくて、誰かに助けてほしいとはずっと思っていました。

――抜いているときだけは、嫌なこと、ストレスになっていることを考えなくてもいい時間という感じでしょうか。

Genaさん:まさにそうですね。抜毛だけが何も考えずにいられる場所に行ける唯一のチケットなんです。それが習慣づいてしまうと、それ以外の方法でストレスから離れる方法というのを手に入れることが難しくて。慢性化、長期化していくにつれて、ちょっとしたことでも抜くようになってしまう。どうしても抜かないと落ち着かない日があったりもします。

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Text by Mitsue Yoshida

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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