無理なく柔軟性が高まる!安全に可動域を引き出す「関節の動かし方」

Sayaka Ono

無理なく柔軟性が高まる!安全に可動域を引き出す「関節の動かし方」

ヨガポーズを深めようとして、関節を無理やりに開いたり曲げたりしたくなることもありますが、それは思う以上に、関節を痛めるリスクが大きいもの。関節まわりを効果的にほぐして、安全に本来の可動域を引き出す、解剖学的動かし方をぜひ覚えましょう!

ヨガを安全に楽しむには関節の基礎知識が大切!

成良さん(以下S) 私はクラシックバレエをけがで引退して、リハビリのためにヨガを始めました。なので関節を安全に動かすことに気を配っています。

賢吾先生(以下K) そうだったんですね! 僕はリハビリなどに活かす医療的な解剖学を専門にしていますが、 関節の中で主要なのは、①脊柱(椎間関節)、②股関節、③肩関節の3つ。これらは、前後=縦の動き、左右=横の動き、そして回す・捻る=ターンの動き、という「3D」に動かせるのが特徴です。

S 3Dっておもしろい表現!

K ヨガは日常生活にはない動きが多いので、関節の可動性はもちろん、体の構造や使い方を知っておくことで、けがのリスクなく安全 に練習できます。ポーズは中枢神経なども通る脊柱をしなやかに動かすメリットも大きく、特に股関節は脊柱の下部(腰椎や骨盤)、肩関節は脊柱の上部(胸椎)につながり、②と③を動かすと脊柱の可動性にリンクします。そこで、今回は②と③を紐解いてみましょう。

無理なくポーズが深まる!安全に可動域を引き出す!関節の動かし方①
photo by Sayaka Ono 

K 関節は凹型の器に骨の頭がはまる部分で、内部に滑液があることでスムーズに動かせます。ただこの滑液も年齢とともに減っていき、同じ動きでも30代以降では負荷が大きく、痛みが出やすくなります。

S 年齢によってポーズの負荷も変わるんですね。でもよく、開脚ポーズを深めたくて、関節の可動域を無理やり広げようとしてしまうことも多いかなと...。

K そうですね。「ポーズを華麗に」と思う方は多いんですが、関節の構造を考えると「可動域をどんどん広げる」とは「関節の安定性を低くする」こと。たとえば前後開脚や、左右開脚で、股関節をグイグイと、必要以上に広げるのはNG。練習を重ねてベタッと開脚できても、今後の人生で股関節に痛みが出て、日常生活で不自由を感じるようなら、「その可動域は本当に必要?」となりますよね。

S 無理のない範囲で心地よく行うことが大事ですね。

K はい。また、関節は下のシークエンス例のようにずっと同方向のままだと逆に固まってしまうんです。自分の可動域を十分に活かす ためには、屈曲と伸展、外転と内転、外旋と内旋を交互に行うことが鍵。そうすることで筋肉が活性化して血流循環が促進され、関節が安全に動かしやすくなります。

S 目から鱗ですね。勉強になりました、ありがとうございました!

「バレエをやっていたからできるけど...」
「本来は、前脚・後ろ脚がベタッと90度に開かないものだから無理は禁物です!」

無理なくポーズが深まる!安全に可動域を引き出す!関節の動かし方①
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股関節の屈曲・伸展の可動域は

股関節の通常可動域は、屈曲は160度まで開くけれど、伸展は15〜20度まで。たとえばハヌマナーサナ。成良さんのように幼少期から可動域を広げて、柔軟性のある人以外は、骨盤を立て、後ろ脚伸展で90度まで開くポーズは股関節に負担大でけがのリスクが。

160度

無理なくポーズが深まる!安全に可動域を引き出す!関節の動かし方①
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15〜20度

無理なくポーズが深まる!安全に可動域を引き出す!関節の動かし方①
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股関節の動きで考えると

ポーズの移行はしやすくても、股関節だけみると「外転」続きのシークエンス。股関節はずっと開いたままなので、股関節まわりの筋肉が緊張し、血流も滞ってしまうことに...。

ヴィーラバッドラーサナII

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リバースウォーリア

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アルダチャンドラーサナ

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主な関節の動き方を知ろう

脊柱、股関節、肩関節の動きは縦・横・ターンの3D。膝は縦のみ、肘は縦とターン(回外・回内)。手首は縦と横(親指側に曲げる「橈屈(とうくつ)」と小指側に曲げる「尺屈」)。足首は縦とターン(外反・内反)の動きが可能。

クロップドタンク¥11,800、レギンス¥16,700/すべてイージーヨガ(イージーヨガジャパン☎03-3461-6355)

教えてくれたのは... 野村賢吾先生
ヨガインストラクター、鍼灸師、元立教女学院短期大学非常勤講師。多くのヨガの指導者向けトレーニングで解剖学を担当。インスト ラクター向けオンライン講座「ヨガシークエンスデザインR」、「セロトニンヨガR」を監修。

無理なくポーズが深まる!安全に可動域を引き出す!関節の動かし方①
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モデル...宮澤成良さん
モデル、ヨガインストラクター。3歳からクラシックバレエを習う。2011年、乃木坂46のオープニングメンバーとして活動後、現在はモデルとして雑誌・広告などで活躍中。RYT200を取得し、ヨガレッスンも指導している。

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photos by Sayaka Ono
illustrations by Misako
hair&make-up by chiSa(SPEC)
text by Ayako Minato
yoga journal vol.78

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ヨガジャーナル日本版編集部

ヨガジャーナル 日本版編集部

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