【間違いだらけの肩ストレッチ】正しいのはどっち?後屈でケガをしない肩の使い方
今やどんな情報もネットから得ることができる時代になりました。例えば「肩のストレッチ」「後屈」と検索すれば様々なストレッチ法が見つかります。けれどちょっと待って!情報を見た目だけで鵜呑みにするのはとても危険です。今回は正しい方肩のストレッチ方法と後屈ポーズへの応用方法を見ていきましょう。
正しいのはどっち?2つの肩ストレッチ
まずは後屈ポーズの準備として肩ストレッチをしている2枚の写真を見比べてみましょう。どちらが肩、そして首や腰にも安全なストレッチなのかわかりますか?
正解は1枚目です。一見2枚目の方が肩まわりがよく伸び、後屈も深まりそうに見えるかもしれません。けれど2枚目のストレッチには、体を痛める危険がいっぱいなのです。
この肩ストレッチどこが危険?3つの理由
では2枚目の写真で行っている肩ストレッチはなぜ危ないのか、3つの理由を見ていきましょう。
1.肩関節が内回し(内旋)
写真の脇下に注目してください。脇下のくぼみが外を向いているのに気がつくでしょうか?これは肩関節(肩甲上腕関節)が内回しになっている状態です。肩関節が内回し(内旋)のまま腕を持ち上げると、肩の骨が筋肉や組織をぎゅっと挟み込まれてしまい、肩を痛めてしまうことがあるのです。(いわゆる四十肩の原因とも考えられています。)
2.肩関節の過屈曲
ストレッチで伸ばしたいのは肩まわりの筋肉です。けれど「もっと伸ばしたい!」と思うあまり肩関節本来の可動域を無視して動いてしまうのは怪我の元。両手をバンザイに持ち上げる時、肩関節は屈曲という動きをしています。この肩関節屈曲の参考可動域は180°とされています。なので腕を頭の後方にぐいぐい引っ張るようなストレッチは、関節に負担がかかる可能性があるので注意が必要です。
3.肩関節に寄りかかっている
写真だけでは体にどのような意識が働いているのか、または働いていないのかを読み取るのは難しいかもしれません。実際には、お腹の力が抜けて体全体がだらんと床の方へぶら下がっています。肩関節が内回しのまま脇下を壁にぐいぐい押しつけているので、肩関節にも体重がかかり負担がかなり大きい状態です。壁に寄りかかるようにストレッチをしているので、腰や首も痛めてしまいかねません。
肩ストレッチを後屈ポーズに応用してみよう
ではそれぞれの肩ストレッチと同じ体の使い方で後屈ポーズ『上向きの弓のポーズ』を行うとどのようになるのでしょうか?写真を並べて見比べてみましょう。
正しいストレッチの場合
◎脇下のくぼみが顔の方向を向こうとしている(肩関節外旋)
◎肩が過屈曲にならないよう意識している
◎腹部の筋肉を働かせることで腰が伸びる/胸で反っている
危ないストレッチの場合
×脇下のくぼみが横から見える(肩関節内旋)
×脇下を押し広げるようにしている為、肩関節に負担がかかりやすい
×腹部の力が抜けている為、腰で反っている/腰痛の原因に
見た目だけでなく体の使い方を知ろう
ヨガポーズを見た目だけで真似していると怪我のリスクがあることがおわかりいただけたでしょうか?ヨガをすることで不幸せになりたい人はいないと思います。誰もがヨガを通してより快適に生きていきたいと願っているでしょう。ヨガで体を傷めない為に、ぜひ信頼するヨガインストラクターのレッスンに参加するなどして怪我のない安全な体の使い方を少しずつ知っていただけたらと思います。
AUTHOR
のぐちかなこ
専業主婦からヨガ講師へ。大手ヨガスクールにて全米ヨガアライアンスの講義 (RYT200/RPYT85)及びヨガレッスンを年間1,000時間以上担当。2018年に独立し〈あんどYOGA〉を立ち上げる。現在もヨガインストラクターの養成に携わりながら、特に産前産後に関するヨガや新米ヨガインストラクターサポートに力を注いでいる。オンライン講座も多数開催中。プライベートでは三姉妹の母。あだ名はかーちゃん。
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