アーユルヴェーダ秋の食養生【季節の変わり目に、体調を崩さないひと工夫とは】

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アーユルヴェーダ秋の食養生【季節の変わり目に、体調を崩さないひと工夫とは】

急に寒い日が続き、秋の訪れを感じる季節になりました。急な気候の変化に体が追いつかず、体調を崩す人も出てきたのではないでしょうか。東洋医学アーユルヴェーダでは、季節に応じて食事やライフスタイルを変えることで、病気を予防し、健康を増進する知恵があります。今回は、秋の季節の変わり目に元気に過ごすためのコツをご紹介します。

季節の変化とともに心と体を整えるアーユルヴェーダの健康法

アーユルヴェーダとは、インド・スリランカ発祥の世界三大医学の1つ。日本ではエステで行うオイルマッサージのイメージを持たれている方が多いですが、本場インド・スリランカやヨーロッパでは、予防医学や病気の治療法として使われ、日本でいう漢方のイメージに近い存在です。アーユルヴェーダでは、人の体は空・風・火・水・土のエネルギーのバランスによって成り立っており、個人の根本的な体質改善をすることにより病気の原因を取り除くアプローチを取ります。

そのアーユルヴェーダにおいて重要なのが、季節とともに日常の行動や食生活を変えて病気を防ぐ「リトゥチャルヤ」の考え方です。リトゥとはサンスクリット語で「季節」のこと。季節の変化とともに気候や体内の状態が変化していくので、それに合わせて1年中同じライフスタイルを送るのではなく、季節に応じた生活をすることで風邪や不眠、お腹の不調などを防ぎます。

アーユルヴェーダ
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秋は前半と後半で過ごし方を変える

では、早速、具体的に秋の季節の過ごし方について書いていきたいと思います。そもそも秋とはどういう季節なのかというと、大きく分けて2つの特徴があります。
1つは9月頃の季節の変わり目には、台風の影響などで雨が多く降ったり、気温も急に下がるので、体は冷えやすく負担がかかり、風のエネルギー、ワータが増えること。

冷える
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そして、2つ目の特徴は、台風の時期が過ぎて秋が深まってくると、火のエネルギー、ピッタが増えることです。ピッタが増えると、体内で消化の炎の力が強くなるため、食欲が出て食べ物をよく消化するようになります。
このように秋は夏から秋にかけて、環境が大きく変わるため、秋の前半と後半で過ごし方を変えることで、うまく気候の変化に体を合わせることが重要です。

消化
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秋に気をつけること

まず、季節の変わり目である9月頃ですが、この頃はワータというエネルギーが増えます。ワータというエネルギーは、自然界でいうと風のような特徴を持っており、冷たい性質、乾燥した性質、不安定な性質、軽い性質を持っています。これが何を意味するかというと、体は冷えやすくなり、また、皮膚や口内、腸が乾燥するため、便秘っぽくなったり、あるいは逆に消化不良で下痢っぽくなることも増えます。体力は弱まり、疲れやすくなるので、この時期はあまり活動的に行動せず、休息を多めに取ることを意識して生活をするべきです。そして、体が乾燥して冷えているので、食事は必ず加熱調理した温かいものを食べ、体を冷やさないようにし、できれば良質な油分を含む、肉や魚を使った料理や、牛乳やバター、ギーを使った料理を食べ、内側から潤いを与えると良いです。その際に、肉や乳脂肪は消化に負担をかけるので、取り過ぎないように注意してください。逆に生の食べ物、例えば刺身や寿司、サラダなどは控えるべきです。また、この時期、寝つきが悪くなったり、夜中に目がさめる人も多いのですが、それはワータが増え過ぎていることが原因です。寝る前にホットミルクを飲んだり、湯煎で温めたオイルで手足のマッサージをするとワータの鎮静ができ、寝つきやすくなります。手足には毛細血管が集中しており、マッサージをして血流を促すと、体が温まり眠くなってきます。

10月に入って、台風も去り、秋晴れが続くようになると、今度はピッタエネルギーが増えていきます。もし、体内でピッタが増えている場合は、体温が上がったり、食欲が増したり、ニキビができやすくなることで、ピッタエネルギーの増加を感じることができます。「食欲の秋」と言いますが、まさに文字通り、秋になるとピッタの影響で食欲が増します。そのため、多少多めに食べても問題はないのですが、食欲が増し過ぎて自分の消化力を超えて食べてしまうと不調の原因となります。特に、揚げ物、肉、辛い食べ物、スパイスを使った食べ物を食べるとピッタエネルギーがさらに増悪するので、控えます。ヨーガの勉強をしているとインド料理を食べる機会が増え、スパイスを日常的に使う方もいるのですが、秋は少しスパイスの量を控えた方が良いです。食べるのであれば甘味のある野菜や苦味の野菜を使った料理で、味付けもさっぱりした和食がオススメです。野菜だと、サツマイモ、レンコン、チンゲンサイ、人参、キノコ類、きゅうり、冬瓜などが良いでしょう。和食は醤油や味噌、酢など、ピッタを増やす発酵食品の調味料をよく使うので、あまり調味料を使い過ぎないことも必要です。

和食
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他に、気をつけるべきなのはコーヒーとアルコールです。コーヒーもアルコールも、ワータとピッタのエネルギー両方を悪化させるので、特にこの時期は控えた方が良いです。コーヒーを飲んでいる人は、牛乳を加えカフェオレにして、コーヒーの量を減らしたり、コーヒーの代わりにハイビスカスティーやジャスミンティーなどのハーブティーを飲むと良いです。また、お酒を飲む際は、白湯も一緒に飲んで飲む量を減らすと良いでしょう。

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アカリ・リッピ―

アカリ・リッピ―

アーユルヴェーダ著者・セラピスト。本場スリランカでアーユルヴェーダ医師のもと修行。帰国後、1万人の体質改善コンサルをしながら講座で実践的なアーユルヴェーダを指導。著書「アーユルヴェーダが教える、せかいいち心地よいこころとからだの磨き方」 (三笠書房)5刷。都内でサロン経営。大手企業の営業マンだった時の経験を活かし、「忙しい人でも無理なくできる」現代的なアーユルヴェーダを発信。

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