「性をコソコソ学んできた」世代が、未来のために今できること|Z 世代の起業家・鶴田七瀬さんに聞く
"自分を大切にした人生"を歩める情報を発信していきたい
――さまざまな発見があるソウレッジさんのプロダクトですが、その活動のなかで一番意識していること、心がけていることはなんでしょうか。
医学的に正しいことよりも、身を守るため、自分で人生を選択する意思決定をしていくために必要なことを伝えるようにしています。
具体的に言うと「性教育トイレットペーパー」には生理の説明として「血が出る」という表現を使っていましたが、これは医学的には正しくない表現なんです。でも、子宮内膜が剥がれ落ちて……といったような正しい表現を幼い子にするべきなのか。それで伝わるのかと考えたときに、まずは分かりやすく伝えたい。
生理のときは痛かったり、気分が悪くなったり。お母さんと一緒にお風呂に入るのが難しいときもある。そういったことを伝えることがまずは必要なのではないか。正確な知識をしっかりと覚えるといったような暗記の教育にはしたくないなと。
SNSなどでは「間違ってますよ」とご指摘をいただくことも多いのですが、「性教育の最初の一歩を届ける」という思いを大事にして、その知識を知らなくても危険ではないのであれば、分かりやすい方で伝えるように心がけています。
――新たなプロダクトなど、今後の活動についても教えてください。
性教育についてだけではなく、自分自身を大切にしていくための情報を単純に読み物としても面白い形で発信していきたいなと考えています。自分を大切にできる人は、やっぱり他人も尊重できる。そういったことを子どもたちに伝えるには、まずは大人ができるようにならないとダメだと思うので、そういった根本から変えていけるものを提案していきたいです。
お子さんがいる、いないに関わらず、性的な悩みを持ったときに誰もが相談相手になれる。そんな環境を作ることを今後も目指していければと思います。
プロフィール:鶴田七瀬さん
一般社団法人ソウレッジ(Sowledge)代表。北欧の教育機関、医療機関、公共施設など30箇所以上を訪問し、若者を取り囲む環境が彼らの行動にどのように影響しているのか取材。帰国後の2018年に一般社団法人ソウレッジを起業。「日常に性教育を」をスローガンに、2019年から性教育トイレットペーパーの販売をスタート、「人生の中で出会う性の課題」を知るボードゲーム「ブレイクすごろく」などの教材も制作・販売。twitterやnoteなどで性にまつわる発信を行っている。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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