あなたは上手に休んでいる?休むことに罪悪感を感じてしまう人に勧めたい「心を休める3つの方法」
あなたは「休む」ことにどのようなイメージを持っていますか?「休む」ことは、本来やるべきことをやっていないこと、怠けていること、などネガティブに感じる人も多いのではないでしょうか。休みが多いことは羨ましいと感じる一方で、自分自身が休むことは後ろめたく感じていませんか?周囲が休んでいないと休みを取りたいと言い出せない…そんなことはありませんか?
休むことは、心身を回復するために必要なことです。休みとは、ゆったりと心や身体を休めたり、気分転換をして気持ちをリフレッシュさせることです。休むことは、怠けや頑張っていないことではなく、私たちに必要なことなのです。しかし、休みの日でも調べ物や作業をしたり、仕事のことを考えていたりしたら、本当の休息にはなりません。私たちが休みを取らずに疲れがたまった状態だと、さまざまなものに対する「価値」が揺らいでしまいます。そうすると、「この会社には価値がない」「学校に通う意味が分からない」という想いが強くなったり、もしかしたら「生きている意味がない」「自分には生きる価値がない」とまで考えてしまうかもしれません。それは今までやってきたことに価値がなくなったわけではなく、それだけ休みが不足していたりストレスがあったり、あなたが疲れてしまっているサインなのです。自分にはストレスがないと感じていても、もしかしたら頑張りすぎていたり、睡眠不足が続いていたりするかもしれませんね。
心を休めるための「スペース」を用意する
スペースとは、時間なり場所のことです。休みは、身体を休めることだけではなく、心を休めることが大切です。私たちは病気や怪我をしたら休みを申請しやすいですが、心が疲れた時は休みを申請しづらいものです。しかし、心と身体はつながっています。心が疲れていると、身体の不調感が出ますし、身体だけ休めていもなかなか回復しないでしょう。休日にやりたいことがあるのに、結果的に1日ダラダラと過ごしてしまい、1日の終わりに「せっかくの休みを無駄にしてしまった」と後悔したことがありませんか?予定を詰め込まずに、始めから「心を休めること」を目的として「あえて」ダラダラと過ごしてみましょう。もちろん、心が休まることを中心に行動すれば、「ダラダラする」「趣味でリフレッシュする」「ひたすら寝る」でも何でもよいでしょう。心を休めるための、時間のスペース、場所のスペースがないとゆっくりと休めません。ある程度の時間を確保し、自宅でもホテルでもいいので、休むための場所を用意しましょう。「疲れたな」「休みが必要だな」と感じたら、早めに行動することが大切です。心も身体も休むタイミングが早いほど、回復も早いものです。
心が疲れる前の自分を思い出す
心が疲れる前の自分を思い出してみましょう。もともとの自分は、どのようなことが好きで、どのようなことに興味を持っていましたか?今の自分と前の自分を比べて、ダメなところを探すのではなく、前の自分がやっていた気分転換を再びやってみたり、前の自分がふとした瞬間に感じていた安心や幸せを思い出してみましょう。例えば、「カフェでコーヒーの香りを楽しみながらゆったりと味わうこと」「入浴剤を入れたお風呂でのんびりとマッサージをすること」など、小さな安心や幸せです。もちろん、以前のような安心や幸せを感じられなくても、「少し楽だな」「マシだな」と悪くない気持ちを感じるかもしれません。つらい時は、嫌な気持ちやぐるぐる思考に巻き込まれて、負のスパイラルに陥っているように感じることがあります。そうすると、もともとの自分や、楽しい気持ちが見えづらくなります。今の生活の中でも、一瞬でも「少し楽」「マシ」など、似たような気持ちがあると思います。そういった瞬間を見逃さずに探してみましょう。
リラクゼーションを試してみる
今までの趣味や気分転換で気持ちが改善しない時は、リラクゼーション法を試してみましょう。手軽に試せる「呼吸法」がおすすめです。鼻からゆっくりと息を吸い込み、口からゆっくりと長く吐き出します。鼻から吸って、鼻から吐き出してもよいでしょう。吸う呼吸よりも、吐く呼吸を長くすることが難しい場合は、吸う呼吸と吐く呼吸を同じくらいの長さにしてもよいでしょう。呼吸法をアレンジして、イメージを加えてもよいです。例えば、誕生日ケースを想像して、ケーキの甘い香りをゆったりと吸い込み、吐く呼吸でろうそくの炎をゆらゆらと揺らします。もったいないので、火は一度に消さず、ゆらゆらと揺れる炎を楽しむように細く長く吐き出します。何回か楽しんだ後に、ふっーと息を吐き切って炎を消し切るイメージをします。AUTHOR
石上友梨
大学・大学院と心理学を学び、心理職公務員として経験を積む中で、身体にもアプローチする方法を取り入れたいと思い、ヨガや瞑想を学ぶため留学。帰国後は、医療機関、教育機関等で発達障害や愛着障害の方を中心に認知行動療法やスキーマ療法等のカウンセリングを行いながら、マインドフルネスやヨガクラスの主催、ライターとして活動している。著書に『仕事・人間関係がラクになる「生きづらさの根っこ」の癒し方: セルフ・コンパッション42のワーク』(大和出版)がある。
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